20日、白頭山の頂上がある将軍峰に登った金正恩夫妻と文在寅夫妻
白頭山の頂上がある将軍峰に登った金正恩夫妻と文在寅夫妻

「遠くて近い国」という使い古された表現で表される日本と北朝鮮との関係。しかし、距離だけを見ると、東京都庁から平壌の金日成広場までは1280キロ。これは東京から奄美大島までの距離とほぼ同じだ。ちなみに、韓国の首都ソウルから北朝鮮の開城(ケソン)まではわずか60キロ、平壌までも200キロ足らずだ。

三池淵(サムジヨン)をバックに記念撮影する金正恩夫妻と文在寅夫妻
三池淵(サムジヨン)をバックに記念撮影する金正恩夫妻と文在寅夫妻

連日のようにニュースで取り上げられるだけあり、実際に行ってみたいという人もいるだろう。 (【北朝鮮旅行画像】ガイドに黙ってこっそり散歩) そこで、北朝鮮旅行・ツアーについてまとめてみた。

①北朝鮮旅行・ツアーは危険?

◯北朝鮮に行ったら抑留される?

北朝鮮に抑留され、脳死状態で帰国し、わずか1週間で死亡した米国人学生の件は世界に衝撃を与えた。今現在、10人の外国人が北朝鮮に抑留されているとの情報があるが、すべて韓国人と米国人で、日本人はいない。

逮捕、抑留された事例を見ると、密入国した、政治スローガンを破いた、聖書を意図的に置いて出た、空港でビザを破いて政治亡命を求めた、キリスト教の布教活動を行ったというものだ。旅行者として北朝鮮に入国し、法律を守って行動している限りは問題が起こる可能性は低いだろう。

(参考記事:「性拷問を受けた」との証言も…北朝鮮は外国人に何をしているのか

◯北朝鮮治安状況

北朝鮮では、強盗、窃盗などが多発しているが、外国人観光客が被害に遭うことはまず考えられない。どこに行くにもガイドが同行するため、一人で夜道や一般の住宅地、市場をウロウロすることはない。

◯北朝鮮旅行・ツアーで注意すべきこと

最もやってはならないことは、金日成主席、金正日総書記、金正恩党委員長に対する不敬行為だ。知らなかった、冗談だった、外国人だからという理由で見逃してもらえることはない。こっぴどく叱られるだけならまだマシで、北朝鮮での「ロングステイ」を強いられる可能性があるほどの重罪だ。

金正恩氏(平壌写真共同取材団)
金正恩氏

また、他の国では犯罪にもならないようなことでも、北朝鮮では重罪に処せられる可能性がある。

米国人学生のオットー・ワームビア氏は、2016年3月16日、宿泊していた平壌市内の羊角島ホテルの職員用フロアから政治スローガンを盗もうとして逮捕され、懲役15年の刑を宣告された。2017年6月に釈放、帰国したものの、1週間後に死亡した。

また、2014年4月には、米国人のジェフリー・ファウル氏を出国直前に逮捕され、約半年間抑留された。清津(チョンジン)の海員クラブのトイレのゴミ箱の下に聖書を置き去りにしたことが、国家転覆陰謀罪に問われた。

しかし、渡航前に旅行会社から言われた注意点を守っていれば、大きな問題にはならないだろう。

(参考記事:「北朝鮮へ行く人は遺書を書いて葬式の準備を」米国政府が勧告

(参考記事:英国政府「北朝鮮で手術をするな」と勧告…身の毛もよだつその理由とは

なお、北朝鮮に次のようなものは持ち込みできない。

◯北朝鮮の体制を批判する書籍、映像

◯韓国製の製品

◯150mm以上の望遠レンズ

◯ラジオ

◯ポルノ

規則は旅行・ツアー会社ごとに異なるので、詳細は問い合わせを。なお、携帯電話の持ち込みは2013年1月から解禁された。しかし、GPS機能が付いていないものに限る。最近、GPSのない携帯電話などほとんどないので、質問されても「ない」と答えておけば大丈夫なようだ。

②北朝鮮で日本語は通用するの?

旅行中はつねに2人の日本が流暢なガイドが同行するため、朝鮮語ができなくても旅行に全くの差支えはない。

③北朝鮮に旅行するために必要な手続き

北朝鮮は外国人に一切の自由旅行を許していない。つまり、チケットを買ってパスポートだけ持ってふらりと訪れるような旅はできない。必ず旅行会社のツアー(団体、個人)に参加することが求められる。

最も一般的なのは、日本の旅行・ツアー会社を通じての参加だろう。中でもJSツアーズでは、歴史、文化はもちろんのこと、鉄道、バス、音楽、スポーツなど、テーマ別の多彩なツアーを開催している。

JSツアーズ (http://js-tours.jp/

また、中国にある外国人経営の旅行・ツアー会社を通じて北朝鮮に向かう人も多い。中でも有名なのが、イギリス人経営で業界最大手と言われるコリョ・ツアーズとヤング・パイオニア・ツアーズだ。

コリョ・ツアーズは、中国の丹東から列車で入国し、平壌、平城、開城、板門店を訪れる4泊5日のバジェットツアーは750ユーロ(約10万円)、平壌から鉄道を使い北東部各地をめぐりロシアのウラジオストクまで行く7日間のツアーは1990ユーロ(約27万円)など様々なツアーを開催している。23日もの間北朝鮮にどっぷり浸かるメガツアーは4590ユーロ(約62万円)だ。ただし、参加にはある程度の英語力が求められる。

コリョ・ツアーズ (https://koryogroup.com/

ヤング・パイオニア・ツアーズ (http://www.youngpioneertours.com/

北朝鮮ツアーを扱う中国の旅行・ツアー会社としては、日本人社員がいる大連金橋国際旅行社(http://www.gbt-dlcjp.com/korea.php)も有名だ。遼寧鴻祥国際旅行社(DDCTS、http://www.ddcts.com/pd.jsp?id=9)も、北朝鮮に安く行きたい人々の間でよく知られている。

④北朝鮮への行き方

北朝鮮への最も一般的なルートは空路だ。

北京からは週5便、瀋陽、ロシアのウラジオストクからはそれぞれ週2便、いずれも北朝鮮国営の高麗航空が運航している。中国国際航空も週2便運航していたが、2017年11月13日から運休となっている。

しかし、デイリーNKジャパンがオススメするルートは鉄道での北朝鮮入りだ。

時刻表通りでも丹東から平壌まで8時間半、北京からだと24時間もかかるが、監視役がいないため、車窓から生の北朝鮮を眺めることができる。東林の通州城(高麗時代の城跡)、地平線が見えるほど広大な十二三千里平野と呼ばれる広大な農地は圧巻だ。また、列車は時速50キロで走るため、写真撮影も容易だ。

(参考記事:平壌は鉄道ファンの「地上の楽園」

完工した庫岩ー畓村鉄道を現地視察した金正恩氏(2018年5月25日付け朝鮮中央通信より)
完工した庫岩ー畓村鉄道を現地視察した金正恩氏(2018年5月25日付け朝鮮中央通信より)

⑤北朝鮮旅行・ツアー、いくらくらいお金が必要?

3泊4日の団体ツアーの参加代金は概ね20万円ほどで決して安くないが、これに北朝鮮への航空、鉄道運賃、北朝鮮国内での交通費、宿泊費、ホテルでの食事代などが含まれているため、現地でお金を使うことはあまりない。昼食代、ビールやおつまみ、おやつを買ったとしても1万円は越えないだろう。

北朝鮮のビール(右)、イチゴサイダー(中)、ミネラルウォーター(左)
北朝鮮のビール(右)、イチゴサイダー(中)、ミネラルウォーター(左)
2006年に発行された北朝鮮の旧5000ウォン紙幣。2009年の貨幣改革で廃止されている。©Numismatic Coins & History
2006年に発行された北朝鮮の旧5000ウォン紙幣。2009年の貨幣改革で廃止されている。©Numismatic Coins & History

ちなみに、旅行・ツアー会社によってはガイド1人あたり3000円とセブンスター1カートン(日本の空港免税店で3000円)、ドライバーには1000円をチップとして渡すよう推奨している。ガイドが女性なら高級チョコレートやコスメをプレゼントすると喜んでもらえるだろう。

⑥北朝鮮旅行・ツアーの必須アイテム

飲み物、お菓子、日用品などはホテル内の売店で売られている。北朝鮮製、中国製が多いがヨーロッパ製、日本メーカーの海外工場で製造されたものもある。薬は基本的なもの以外ないので、持っていきましょう。ただし、急病の場合はクリニックに連れて行ってもらえて、麻酔なしで手術させられるようなことはないので、ご安心を。

(参考記事:【体験談】仮病の腹痛を麻酔なしで切開手術…北朝鮮の医療施設

クレジットカードは一切使えないので、現金が必要となる。日本円も使えるが、中国人民元が最も使い勝手がある。外国人観光客の北朝鮮ウォンへの両替は、ガイドに頼めばやってもらえることもあるが、北朝鮮国民も少額の支払いを除けば人民元や米ドルを使っているので、わざわざ両替する必要はないだろう。

ネットは基本的につながらないと考えたほうがいいだろう。ホテルのビジネスルームでネットにアクセスできるが、料金が非常に高い上に、ビジネスルームが閉まっていることもある。緊急の連絡は電話で行う。

テレビは、朝鮮中央テレビ以外にも、NHKワールド、BBC、CNN、中国中央テレビ、ロシアテレビなどが見られる。1人旅の人は、暇つぶし用の本、ゲーム、映像コンテンツを持っていけば暇つぶしになるだろう。また、ホテル内にはバー、マッサージなど、様々な施設が整っている。

⑦北朝鮮・平壌の定番観光スポット

通常は平壌到着後にガイドから訪れる場所についての説明を受ける。この時に希望を伝えることもできるが、「事前に旅行・ツアー会社を通じて伝えてもらった方がアレンジがしやすい」(ガイド)とのことだ。

☆☆☆どのツアーでも必ず訪れるところ

◯金日成広場

北朝鮮軍創建70周年記念軍事パレード(2018年2月9日付労働新聞より)
北朝鮮軍創建70周年記念軍事パレード(2018年2月9日付労働新聞より)

軍事パレードや各種集会が行われる巨大な広場。物々しいかと思いきや、訪れてみると子どもたちが凧揚げやローラースケートで遊ぶ子どもたちばかりで拍子抜けするかも。ある観光客が「子どもたちは演出か?」と訪ねたところ、ガイドいわく「大きな外国人ツアーならそういうこともありうるが、小規模ツアーならやらない、そもそもわれわれはそんなに暇ではない」と笑われたそうだ。北側にあるのは巨大図書館「人民大学習堂」だ。

北朝鮮軍創建70周年記念軍事パレード(2018年2月9日付労働新聞より)
北朝鮮軍創建70周年記念軍事パレード(2018年2月9日付労働新聞より)

◯金日成主席、金正日総書記の銅像

金日成主席、金正日総書記の銅像に献花する平壌市民(2016年7月27日付労働新聞より)
金日成主席、金正日総書記の銅像に献花する平壌市民(2016年7月27日付労働新聞より)

万寿台(マンスデ)の丘にそびえ立つ金日成主席、金正日総書記の銅像。平壌を訪れた外国人が必ず連れて行かれる場所だが、時期によっては行かないこともある。「参拝」に際しては献花が求められる。手前で1000円で購入する。

銅像の写真撮影は可能だが、銅像と同じポーズをしてはいけない、必ず全身を撮らなければならない(これはよそにある両氏の銅像も同じ)ときつく言われる。不敬に当たるとの理由からだが「欧米人はわかってくれなくて困るが、アジア人なら大抵理解してくれる」(ガイド談)そうな。

◯凱旋門

「世界で一番大きい」とガイドが自慢する凱旋門。金日成主席の生誕70年を記念して、1982年に建てられた。「凱旋」とは、朝鮮半島が日本の植民地支配から解放された直後の1945年9月に旧ソ連から北朝鮮に帰国したことを指す。直ぐ側の金日成競技場は、主席がその年の10月に行われたソ連解放軍歓迎平壌市民大会で市民の前に初めて姿を表し、演説したところだ。(元々は1926年に建てられた平壌公設運動場)

◯金日成主席の生家

1912年4月15日に、後に朝鮮民主主義人民共和国の主席となる金日成氏が生まれた家で、朝鮮語では「万景台(マンギョンデ)・コヒャンチプ(故郷の家)」と呼ばれる。伝統家屋に、当時使われていた農機具などが所狭しと並べられていて、郷土史資料館を彷彿とさせる。中でも「貧しくてこんなものしか買えなかった」例として見せられる、へちゃむくれの瓶(かめ)が有名。北朝鮮の聖地中の聖地だが、その割にはざっと見るだけで詳しい説明がなかった、開館時間終了直前にそそくさと見て回ったなどという話が、実際に訪れた外国人観光客から聞かれる。

◯平壌地下鉄

ソウル地下鉄に先駆けて朝鮮半島初の地下鉄として1973年に開通した。2路線35キロあるが、復興駅から栄光駅までの1駅だけ乗車するパターンと、凱旋駅までの6駅を乗車するパターンがある。中には、全駅全路線に乗るツアーもある。戦友駅のそばにある地下鉄道建設博物館を見学するツアーもある。運賃は5北朝鮮ウォンだが、外国人観光客は無料で乗車できる。ちなみにSUICAやICOCAのような非接触ICカードが使われている。

(外部リンク:北朝鮮の地下鉄、全区間に乗ることを許された観光客の記録(動画・画像)

☆☆ときどき訪れるところ

◯錦繍山太陽宮殿

金日成主席と金正日総書記の遺体が眠る墓地。入場に際しては正装が求められ、写真撮影は絶対にしてはならない。外国人が訪問可能な曜日が定められているため、ツアーによっては参加できない。

錦繍山太陽宮殿を参拝する平壌市民(2016年7月28日付労働新聞より)
錦繍山太陽宮殿を参拝する平壌市民(2016年7月28日付労働新聞より)

◯チュチェ思想塔

平壌を流れる大同江の辺りにそびえ立つ高さ170メートルの世界で最も高い石塔。最上階の展望台からは平壌市内が望める。

◯祖国解放戦争勝利記念館

祖国解放戦争(朝鮮戦争)で米帝に「勝利した」ことを記念して建てられた記念館。朝鮮人民軍が撃墜・拿捕した大量の戦闘機、戦車、プエブロ号などの展示や、朝鮮戦争の大田の闘いを360度のジオラマで再現した部屋が有名。

◯柳京ホテル

高さ330メートルの世界一のホテルとして建設が進められていたが、建設が中断し、放置され、世界最大の廃墟などと揶揄されていた。建設再開の話が出ては消え出ては消えを繰り返している。車窓からの見学。

◯大城山革命烈士陵

建国の功労者が眠る国立墓地。

◯楽園百貨店、光復商業中心などの商業施設

◯綾羅島5.1競技場(メーデー・スタジアム)

◯檀君陵

◯牡丹峰公園

◯党創建記念塔、党創建記念館

◯科学技術殿堂

◯平壌サーカス

◯朝鮮中央歴史博物館

◯ヘダンファ館、ムンスプールなどのレジャー施設

ヘダンファ館外観
ヘダンファ館外観
平壌市内にある紋繍プール(画像:Uri Tours)
平壌市内にある紋繍プール(画像:Uri Tours)

◯射撃場

◯朝鮮芸術映画撮影所

◯朝鮮革命博物館

◯金日成花・金正日花展示館

◯平壌テレビ塔

◯高句麗古墳群

☆レアな観光地

◯文化省革命事績館

◯鉄道省革命事績館

◯朝鮮人民軍武装装備館

◯3大革命展示館

◯金日成総合大学博物館

◯朝鮮中央動物園

自然博物館と中央動物園を現地指導した金正恩氏(2016年5月21日付労働新聞より)
自然博物館と中央動物園を現地指導した金正恩氏(2016年5月21日付労働新聞より)

◯朝鮮中央植物園

◯美林乗馬クラブ

⑧北朝鮮・平壌以外の隠れ観光スポット

◯開城

高麗(918年〜1392年)の都で、市内には多くの古い建物が残るも、軍事境界線に近い都市。高麗人参の産地として知られる。宿泊は、伝統家屋を使った開城民俗旅館がオススメ。2007年12月から約1年間、ソウルからの日帰りツアーが行われていた。

(参考記事:北朝鮮、開城を経済特区に指定へ

◯板門店

2018年4月27日午前、板門店で軍事境界線をまたぐ金正恩氏と文在寅氏(板門店合同取材団)
2018年4月27日午前、板門店で軍事境界線をまたぐ金正恩氏と文在寅氏(板門店共同取材団)

朝鮮半島を南北に分断する軍事境界線の上にあり、国連軍(米軍、韓国軍)と朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の共同警備区域となっている。韓国側から訪れる際には服装や行動などに制限が厳しいが、北朝鮮側では特に何も言われない。停戦協定が調印された建物も合わせて見学する。

◯妙香山

北朝鮮が誇る名山の一つだが、山に登らず、中腹にある国際親善展覧館を訪れるだけのことが多いようだ。全世界の国や団体、個人が金日成主席、金正日総書記に贈った贈り物を展示しており、最近に入って金正恩館もできた模様だ。

(関連記事:親善展覧館に金正恩館も建設か

神聖な場所として扱われ、玄関には警備兵士が立ち、内部は撮影禁止、靴にカバーを掛けて入るほどの厳重さ。一部の中国人観光客は内部で密かに写真撮影をしているようだが、非常に危険な行為なのでオススメしない。成田知己、飛鳥田一雄、田辺誠、金丸信といった日本の往年の政治家からの贈り物も展示されているが、「日本の若い人に説明しても知らないんですよ…」とガイドはしょげていた。

近隣にある高麗時代の仏教寺院で国宝に指定されている、普賢寺を合わせて見学することが多い。

◯南浦

莫大な予算をつぎ込み、北朝鮮経済が傾くきっかけとなったと言われている西海閘門、良質な天然の炭酸水で知られる江西薬水の工場、植民地時代から有名だった龍岡温泉で知られる。

(参考記事:北朝鮮没落のきっかけとなった西海閘門

西海閘門(画像:我が民族同士)
西海閘門(画像:我が民族同士)

◯羅先

北朝鮮の羅先経済貿易地帯(ウェブサイト「ネナラ」より)
北朝鮮の羅先経済貿易地帯(ウェブサイト「ネナラ」より)

中国吉林省延辺朝鮮族自治州の琿春と向かい合う北朝鮮の経済特区。一時はカジノで有名だったが、中国の役人が入り浸っていたことがバレて、中国人の訪問が禁止された。今では、安くて手頃なシーフードが楽しめるところとして知られる。また、北朝鮮で唯一外国人の訪問が可能な市場があるところだ。

(参考記事:北朝鮮、中国との国境地帯に「密輸市場」を開設か

◯新義州

国境を流れる鴨緑江を挟んで中国遼寧省の丹東と向かい合う国境都市。北朝鮮で進む市場経済化で大儲けしたトンジュ(金主、新興富裕層)の投資で、高層マンションが雨後の筍のように建てられている。中国からは半日ツアーでも訪問可能。中国人は500元(約8400円)ほどで行けるが、日本人の場合はその数倍の料金を払わされる。

(参考記事:5000円で参加できる「お手軽北朝鮮ツアー」拡大へ

☆その他外国人観光客の訪問が許可されているところ

◯平城

2012年から外国人観光客に開放された。北朝鮮の物流の中心地で、非常に大きな市場があることで知られているが、外国人の訪問は認められていない。実際に行けるのは栢城革命事績地、安国寺、平城食料品工場、金正淑高等中学校、平城広場、鳳鶴食料工場などだ。

◯九月山

黄海北道(ファンヘブクト)にある朝鮮の名山の一つ。99の峰があり、穏やかな山並みと美しい滝、朝鮮半島の中部(今の韓国)に近い植生などで、北朝鮮国内でも人気のある山だ。神話上の建国者、檀君が平壌から移ったというエピソードでも知られる。山中には、新羅時代に創建された桓因、桓雄、檀君を祀った貝葉寺という名刹があったが、朝鮮戦争で破壊され再建されていない。その末寺の月精寺は健在。

◯正方山

黄海北道(ファンヘブクト)の沙里院(サリウォン)市の外れにある山で、九月山には及ばないが人気の山。成佛寺、高麗時代の山城があり、北朝鮮国民向けのレジャー施設もある。

◯信川

◯沙里院

◯海州

◯元山

元山葛麻海岸観光地区の建設場を現地指導した金正恩氏(2018年5月26日付朝鮮中央通信より)
元山葛麻海岸観光地区の建設場を現地指導した金正恩氏(2018年5月26日付朝鮮中央通信より)

◯馬息嶺

馬息嶺スキー場を視察する韓国政府の先発隊(朝鮮中央通信)
馬息嶺スキー場を視察する韓国政府の先発隊(朝鮮中央通信)

◯金剛山

◯咸興

◯白頭山

白頭山に登った金正恩氏(2017年12月9日付朝鮮中央通信より)
白頭山に登った金正恩氏(2017年12月9日付朝鮮中央通信より)

◯七宝山

◯清津

◯会寧

◯赴戦湖

東海岸の蓋馬(ケマ)高原にある湖。1930年代に作られた人工の湖だが、周囲は緑あふれる高原地帯で、将来の避暑地として有望視されている。

⑨北朝鮮旅行・ツアーで食べておきたいグルメ

辛さ、甘さ、酸っぱさなど味がしっかりした韓国料理を食べ慣れた人に、あっさりした味の北朝鮮料理は物足りなく感じるかもしれない。平壌の料理は、昔から比較的あっさりした味だったが、金日成主席が辛いものを食べることを諌めたこともあって(ガイド談)、かなりあっさりした味だ。しかし、若い世代は韓流ドラマの影響を受けてか、刺激的な味を好むようだ。

北朝鮮の外国人用ホテルで出される朝食の一例。あっさりしていて日本人には好評だというが、中国人には物足りないかもしれない。
北朝鮮の外国人用ホテルで出される朝食の一例。どこか中国風で、味はあっさりしていて日本人には好評だというが、韓国料理好きの人には物足りないかもしれない。

◯冷麺

平壌で一番の名物といえば冷麺だろう。うまく噛み切れないのでハサミで切ることが多いが、北朝鮮ではそういうことはしない。最も有名なのは玉流館(オンリュグァン)だが、何らかの事情で別の冷麺屋になることが多い。ある日本人旅行者がガイドから聞き出したウラ情報によると、玉流館よりも平南麺屋(ピョンナムミョノク)のトウモロコシ麺の方が美味しいらしい。 そば粉とトウモロコシ粉を混ぜて作るニョッキのようなオルチェンイグクス、温かいスープに入った温麺などもある。

平壌では「先酒後麵」と言って、ゆで豚や餅を「アテ」にして焼酎で一杯やってから冷麺を食べる習慣がある。

北朝鮮の冷麺。韓国のものと違い柔らかくハサミで切る必要はない。
北朝鮮の冷麺。韓国のものと違い柔らかくハサミで切る必要はない。

◯ボラのスープ

大同江を遡るボラがまるごと入ったピリ辛スープ。ボラの出汁が利いている。

◯飯床器(パンサンギ)

13個の真鍮の器に入った11種類のおかずとご飯、スープを楽しむ、韓定食に似たようなもの。いずれもあっさり味だ。

⑩北朝鮮旅行・ツアー、オススメのホテル

外国人観光客は羊角島(ヤンガクト)ホテルか高麗ホテルのどちらかに宿泊することが多いが、デイリーNKジャパン的には高麗ホテルをオススメしたい。

その理由は、平壌駅に程近い市内中心部にあり、ホテルの敷地からでも街の様子が見られるからだ。また、ガイドと仲良くなれば駅前まで散歩に連れて行ってもらえるが、歩道に立ち並ぶ売台(売店)でショッピングを楽しめたりする。

一方で、ホテルの施設が充実していることから羊角島ホテルを勧める人もいる。自由時間でも自由な外出が許されず、ホテル内での滞在を強いられるためだ。

それ以外にも、平壌マラソンなど多くの外国人観光客が訪れる期間には、次のようなホテルに宿泊することもある。

◯ソサンホテル

◯青年ホテル

◯普通江ホテル

◯両江ホテル

◯解放山ホテル

◯楽浪(ランラン)ホテル 2010年にオープンしたホテルだが、2018年になって外国人観光客にも開放された。4階建ての小じんまりとしたホテルだが、平壌を流れる大同江の南岸にあり、川向うに科学技術殿堂が眺める。

外部リンク:コリョツアーズの紹介記事(記事1記事2

⑪北朝鮮旅行・ツアーは危険ではない!

距離も遠くなく、意外と普通に行けちゃうのが北朝鮮。常識さえ守れば、概ね問題になることもないだろう。

ただし、日本の外務省は海外安全情報のページで次のように呼びかけている。

北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を繰り返しています。こうした状況も踏まえ、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のために我が国がとるべき 最も有効な手段は何か、という観点から、一連の我が国独自の対北朝鮮措置を実施 しています。その一環として、人的往来の規制措置、具体的には我が国から北朝鮮への渡航自粛要請が含まれています。つきましては、目的のいかんを問わず、北朝鮮への渡航は自粛してください。

中国人の北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記

このブログは2013年の停戦協定締結日(7月27日)前後に北朝鮮を旅した中国のブロガー蘆珊さんのブログ旅行記。

彼にとって北朝鮮旅行・ツアーは2度目。管理に問題がないのか心配になるほど多くの外国人観光客がやってきた際に、彼についたガイドは写真撮影を止めたりすることもあまりなく比較的自由にさせてくれたという。彼はこのガイドの目をかいくぐって平壌散歩を楽しんだという。

【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記】一覧

ここでは中国ブロガーの北朝鮮ツアーの一部を紹介する。

【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-1-】ガイドに黙ってこっそり散歩

北朝鮮旅行・ツアーは今回が2度目。私たちは光復通りにある青年ホテルに泊まった。北朝鮮にこれほど多くの外国人観光客がやってきたことはないだろう。管理に問題がないのか心配になるほどだ。

私たちを案内してくれたガイドは中国は好きだけど一度も行ったことがないと言っていた。彼は写真撮影を止めたりすることもあまりなく比較的自由にさせてくれたが、ある人は私たちが勝手に散歩に出たりしないように午前4時からホテルのロビーに座っていたと言っていた。

ガイドの目をかいくぐって私は平壌散歩を楽しむことにした。一度は夜に、もう一度は朝の6時にホテルの外に出てみた。緊張する一方でとてもワクワクした。北朝鮮の人に見えるようにシンプルな服を着て髪もほどいて母の持って来た黒いかばんでバッジをつけていないことがばれないように隠した。

平壌の女性のほとんどがハイヒールを履いているのを見て草履履きの私は恥ずかしくなった。それに肌の白いこと!肌の浅黒い私は外国人だということがすぐにバレると思った。
ホテルを出て少し歩いたところでお菓子などを売っている小さなお店を発見した。本当に中国のお金が使えるのか試してみたくてアップルジュースを手に取り1元札(約19円)を渡してみた。

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すると札束でお釣りが返ってきた。計算してみると1元は1200ウォンのようだ。ガイドは1元が16北朝鮮ウォンと言っていたけど、それが本当のレートなのだろう。(編集部注:この当時のレートは1ドル8140ウォン)

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次に食べ物を売っている屋台を発見した。そこでは人民元は受け取ってくれなかった。ハエがたかっていたので買う気を失った。

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平壌の夜は暗黒に包まれていたが、ここだけは活気に満ちていた。

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食堂の前で写真を撮ってみた。

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店員さんはきれいで中国語も少し通じた。ここでも人民元は使えないとのこと。さっきおつりでもらった北朝鮮ウォンでキンパプを買ってみた。具が何も入っていなかった。

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ほとんどの食堂は店じまいした後だった。

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持って来たのが安物のカメラだったので暗くて撮影に苦労した。明るく照らされているのは金氏一家の宣伝画だけ。外灯も一部しかついていなかった。

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ホテルに戻って他のツアー参加者に散歩してきたと言ったらみんなに羨ましがられて連れて行ってほしいとせがまれた。

【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-2-】散歩途中で「尾行」に気づき慌ててホテルへ

その日の集合時間は朝9時だった。私はつかの間の散歩を楽しむため、早起きして6時にホテルを出た。目に映る平壌の朝は印象的だった。ホテルのすぐ前で見かけたのは花がらの服を着た女性。彼女は外国人観光客を監視する公安の人。少し緊張したが呼び止められないことを心のなかで祈った。

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平壌に広告はほとんどないけれど、この「平和自動車」は例外だった。アメリカ系(編集部注※実際は統一教会系)の会社で生産量は大したことないらしいが、北朝鮮では有名な会社だ。

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職場や学校へと向かう人々や、道を掃除する人々の様子を間近から見ることができた。一緒に散歩に出た母は昔の北京そっくりだと言った。ふと後ろを振り返ったが尾行されていないようで安心した。

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路面電車やバスの停留所の広告が入るスペースには風景画が飾られていた。慌ただしく行き交う通勤客。しかし、北京や上海の猛烈なラッシュアワーに比べると牧歌的な風景だった。

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北朝鮮の人に何かを尋ねられた。何を聞きたかったのだろう。なんでバッジをつけていないのか。朝鮮語ができるのかどうか。話してみたかった。朝鮮語の勉強をしなきゃ。

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平壌のほとんどの店はオープン前。10時オープンって遅すぎる。果物はほとんどが中国製のようだった。

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ショーウィンドウの下の段にあるトイレットペーパーは、ホテルの部屋にあるものと全く同じだった。

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同じ品物をズラッと並べるのが朝鮮式陳列方法のようだ。

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服屋。80年台の中国が思い出されて懐かしい。

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雑貨屋。時計や鞄が売られている。天井には北朝鮮の旗が。

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公園にはジムのマシーンが置かれていた。使っている人は多いのだろうか。建物をきれいに塗り替えれば今の北京のような感じになるんじゃないだろうか。

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街の至る所にあるプロパガンダの書かれた看板。

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車が少なくて渋滞の心配はなさそうだ。

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裸の石鹸が売られているのが珍しい。奥に置かれたタオルには「戦勝60年」という文字が浮かび上がっている。

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2012年にオープンした「光復地区商業中心」。売られている品は、中国からの輸入品が6割ほどを占めるらしい。

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まだオープン前だったので外から写真を撮った。

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ホテルから2キロほど歩いたところで地下鉄の駅に向かう歩道橋を渡ろうとしたとき、後ろからハイヒール姿で尾行してくる女性に気がついた。驚きの余り気絶しそうになった。恐ろしくて大急ぎでホテルに戻った。

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マンションの中に入ってみたかったが、女性がずっと付いてくるので諦めた。

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ラッシュアワーの路面電車。かなり混んでいる。

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【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-3-】ローラースケートのちびっ子とカメラに照れない女子高生

中国人は北朝鮮のニュースにほとんど興味を持たない。友だちからも一体なんで北朝鮮なんかに2回も行ったの?と聞かれる。それは朝鮮という変わった国の変化を見たかったからだ。

7月27日は朝鮮の戦勝節。町のあちこちに人だかりがあって、写真を撮る機会も多かった。5年前に初めて行った時と比べ、朝鮮の人々は外国人のカメラにすっかり慣れたように感じた。北京や上海だけを見て中国を判断できないように、平壌だけを見て北朝鮮を判断できないが。

外国人観光客も平壌に入れば万寿台の金日成と金正日の銅像に頭を下げなければならない。朝鮮の人々もそこに行って花を手向けていた。

朝鮮の伝統衣装で着飾った女性が珍しい。

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自由奔放に着飾った女性たちは金日成広場の横のベンチでおしゃべりに夢中になっていた。

平壌のタクシー。前回5年前に来た時はみかけなかった。(編集者注:大同江区域ムンス通りにある平壌産院から退院する母子のための専用タクシー)

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バスの乗客の表情は様々。私たちをどういう思いで見つめているのだろうか。

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閲兵式に参加するためにやってきた人々。ほとんどが撮影を嫌がらなかったが、中には顔を隠す人も。

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地下鉄の駅の入口でローラースケートに乗っている子どもを見かけた。

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今回の旅で見かけた平壌の女の子たちのヘアアクセは、一様に派手だった。

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平壌に招待された朝鮮戦争に従軍したお年寄り。金日成の生家を見学している。

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携帯で話しながら自転車をこぐ男性。国内通話はできるが、ネットは使えないそうだ。

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閲兵式に動員された学生たちはみんな同じシャツを着ている。

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金日成広場に集まった人々。サングラスをしているおじさんに目を引かれた。

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閲兵式に動員された人たちは、一様に花束を持ってどこかへと向かっている。

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広場のそばでイベントの準備をする女性たち。

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女子高生たち。以前はカメラを向けると恥ずかしがって逃げていたのに、最近の女子高生たちは恥ずかしがらなくなったようだ。

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【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-4-】懲りずにまた一人散歩。富裕層のマンション周辺を見物

尾行されて恐ろしい目にあったのに、懲りずにまた散歩に出ることにした。北朝鮮では、外国人は一般人との接触は許されていない。よろしからぬシーンが外国人の目に触れることを極端に嫌がるようだ。

平壌ツアーで外せないのが、凱旋門のそばにある「友情商店」でのショッピング。外国人観光客を対象にした店なので、一般の店に比べると値段は数倍高い。ネットで、その周辺に富裕層の住んでいるマンションがあるということを調べておいた。

ガイドは観光客の前後に1人ずつつき、全員が店に入ったかをチェックしている。チェックが終わるや、私は急いで出口から外に出てマンションへと向かった。道端では物が売られていて人だかりがあった。

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売られていたのは青唐辛子。「野菜だよ?」と声を張り上げて野菜を売り歩く八百屋さんのことを思い出した。

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平壌では定期的に配給があるとは聞いていたが、量が足りていないようだ。それでみんなお金を出して買うのかもしれない。

商人の手さばきは見事なものだった。品物を渡してお金を受け取ってお釣りを返す一連の動作の素早さは神業レベルだった。

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隣は果物売り。朝鮮で果物は庶民の手には中々届かない贅沢品だそうだ。どれほど高いんだろうか。

梨を2つ手にとって人民元を渡した。おばさんはしばらく計算機を叩き続けた。そして10元だと言った。現地人価格なのかどうかはわからないが、中国に比べてとても高い。

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この建物の前に野菜と果物を売る市場があった。

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カメラを持っていて服装も服装なので、平壌の人には変に見えるかもしれない。しかし、カメラを見ても平壌の人々は驚きもしなかった。

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団地の前にある服屋さんでは2人の女性がショッピングに夢中になっていた。

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メガネ屋。変わった視力測定器があった。

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食料品店ではひと目で値段がわかるように値札が付けられていた。キンパプと餅とうずらの卵を買いたかったけど、レートがよくわからなかったので断念した。

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お店の品物はほとんどが中国製だった。

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アイスクリームを売る店もあった。1つ200ウォン(約2円80銭)だった。牛乳の味は濃いのに油っこくなくておいしかった。カップを捨てようとしたがそばにゴミ箱はなかった。

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女性保安員も暑さには勝てないようだった。

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しばらく散歩して友情商店に戻った。ガイドには何も言われなかったが、私がいなくなったので他のツアー参加者は足止めを食らっていた。

この日開かれる閲兵式のために道が封鎖されていて迂回を余儀なくされた。そのおかげでマンションの写真を撮ることができた。

大通りに面しているベランダには花を飾るようにとの指示があるらしい。これもプロパガンダの一環とか。大通りに面していない側でも洗濯物も干せないらしい。

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住民と女子学生。タクシーが団地の中庭まで乗り入れている。

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グループから離れて単独行動をしたことは褒められたことじゃないが、そのおかげでなかなか見られない北朝鮮の人々の暮らしの一部を見ることができた。

【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-5-】女性税関職員のお尻を中国男がさわって大騒ぎ

今回は丹東から列車に乗って、鴨緑江にかかる朝中友誼橋を渡って北朝鮮に入った。新義州(シニジュ)で入国検査を受けて平壌に向かった。寝台列車で国境で乗り換える必要もなく楽な旅だった。

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鴨緑江大橋

丹東で列車に乗り込むとしばらくはガイドがつかなかったので、写真は撮り放題だった。車内は足の踏み場もないほど荷物だらけだった。

ほとんどの乗客は貿易の仕事で中国に行っていた北朝鮮の人々で、それぞれ気が遠くなるほどの量の荷物を持っていた。こざっぱりした格好をしていて、胸に輝くバッジがなければ北朝鮮の人か中国の人かわからないほど。

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私の荷物を検査する北朝鮮の税関職員。飲みかけのコーヒーを見つけるやいなや勝手に飲んでしまった。あの心の底から満足したような表情は忘れることができない。

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前に来た時は税関でカメラをチェックされ、北朝鮮のイメージを損なう恐れがあると判断された写真はすべて削除された。しかし、今回は携帯電話の持ち込みも許されて検査もさほど厳しくなかった。

しかし、彼らは没収対象ではない物を綿密に検査したがった。例えば中国製のタバコ。ボックスを手にとって何か言い出したので、「あげる」と言ったら大層喜んでいた。

オーストラリア人の荷物はまるで宝探しでもするように、一所懸命ほじくり返していた。いくら探してもめぼしいものは何も出てこない。すると「ドルはあるか。朝鮮のお金に替えてやるぞ」と言い出した。彼は後で「大金持ってこなくて正解だった」と言っていた。

急に車内が騒がしくなった。北朝鮮の税関女性職員が、中国人男性の乗客におしりを触られたと騒いでいるのだ。その光景をオーストラリア人が撮影したのだがすぐにバレて削除させられた。新義州の国境越えはなかなかおもしろい。

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走行中に外の風景を撮るのは自由だったが、人も風景もあまりおもしろくなかった。そこで列車内の国境を越えて北朝鮮の乗客が利用する食堂車に行ってみた。

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目に入ったのは黒い服を着たおじさん。干しダラやらビールを山のように注文して朝鮮語でおしゃべりに夢中になっていた。バッジはつけていなかったが、言葉と物腰から朝鮮の人だとすぐにわかった。そっと写真を撮ったが少し顔をしかめただけで何も言われなかった。

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この一行と話がしてみたくて、干しダラとビールを買って食べ方を聞くふりをして近寄ってみた。おじさんと話をするのに成功した。

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彼は北朝鮮外務省の人で、福建省の厦門に行った帰りとのこと。友人のヨットに乗って台湾のそばまで行ってきたとえらい自慢していた。

かつては羅先(ラソン)にいたそうだ。羅先は朝鮮の深センだ、毎年見本市をやっていて世界中から商人が集まる、この前はロサンゼルスから来た人もいたと言っていた。なぜか「ロサンゼルス」を妙に強調していた。

北朝鮮の人々は飢えに苦しんでいると言われているが、彼を見ていると朝鮮の人々は急にお金持ちになったのかと思った。しかし、彼はものすごい権力を持ったお役人だ。「朝鮮式社会主義」を積極的に利用して金儲けをしているのだろう。いろいろ聞いては見たかったがセンシティブな質問は控えた。

こちらは車内で見かけた北朝鮮の女子学生。20歳そこそこだろうか。ファッションはけっこう最近のもので、家族と一緒にいた。

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車内には北朝鮮の休戦協定締結日(7月27日)60週年を迎えて北朝鮮に招待された、朝鮮戦争に参戦したお年寄りが大勢乗っていた。

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【関連記事】 北朝鮮は共産主義テーマパーク

【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-6-】五輪開幕式を彷彿させたアリラン祭のマスゲーム

2008年の9月に北朝鮮を初めて旅行した時に見たアリラン祭のマスゲームが忘れられず、今回も見ることにした。会場の「5・1競技場」に入ると、聞こえてくる音楽に初めて来た時のことが思い出された。

あれから5年経って入場料も3等が400元(約7500円)から800元(約1万5000円)に上がった。ポスターも25元(約468円)だったのが50元(約937円)になっていた。5年で倍になった。

公演そのものにはさほど変化はなかったので、アリラン祭について書くのはやめようかと思っていた。

でも、アリラン祭をもうやらないかもしれないという話を聞いたので、まだ見たことのない人のために紹介しようと思う。(編集者注:複数の旅行会社のサイトによると2015年は再開するとのこと)

アリラン祭なんて見る価値がないという人も多い。皆同じ格好で同じ動きをするのを見て何がおもしろいのかと。中国でも集団で何かをやらされることが多かったから、アレルギーがあるのかもしれない。最近ではあまり見かけなくなったけど。

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カメラをどの向きで構えても同じように撮れてしまうのは本当に驚きだ。

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写真で見ると一瞬だが、マスゲームに動員された人々は、週に3回も同じことをやらされている。これに参加できること自体が誇りだと、子どもたちに教えこんでいるというから呆れる。

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豊作を願うパフォーマンスだそうな。

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赤旗を振るシーンは実に美しかった。

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軍楽隊も大々的に動員されている。

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美女兵士たちの行進。顔を撮りたかったけど自分のカメラでは無理だった。

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中国の建国50年記念イベント(1999年)にも同じようなことをやっていたが、壮大な北朝鮮のものとはスケールが違いすぎる。

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これは朝鮮の過去の姿だろうか、現在の姿だろうか。私にとっては懐かしく感じられた。

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朝鮮の凱旋門と中国の天安門を虹が結ぶ図

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朝鮮民族の伝統をモチーフにした踊り。

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マスゲームに参加した人々には冷蔵庫とテレビがプレゼントされるとガイドは自慢していたが、それが自慢になるのか?これに参加するためには3ヶ月もの間、厳しい訓練に耐えなければならないそうだ。

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曲芸は見てハラハラドキドキ。

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アリラン祭は北朝鮮の外貨稼ぎの主な手段だ。ガイドによると外国人観光客は800元を払わされるが、北朝鮮の人々はほぼ無料で見られるらしい。

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花火はオリンピックの開幕式を彷彿とさせるほど、ものすごかった。週に3回もこんなことをやるなんて、ものすごい無駄遣いだ。

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マスゲームが終わり家路につく人々。

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【北朝鮮ツアー・ブロガー旅行記-7-】中国に戻った翌日にまた北に行く彼女にオジサンは「どんだけ好きやねん!」 につづく

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