昨年、北朝鮮を訪れた外国人観光客の数が、一昨年比の約4割減だったとアメリカの北朝鮮ニュース専門サイト「NKニュース」が伝えている。エボラウイルス国内流入を遮断するとして長期間外国人観光客の入国を禁止したことが大きく響いているようだ。

三池淵ペゲボンホテルのウェイトレス ©Roman Harak
三池淵ペゲボンホテルのウェイトレス (画像:Roman Harak)

NKニュースが、主に欧米人を対象に北朝鮮ツアーを開催している旅行会社11社を対象に調査した結果、2014年に北朝鮮を観光目的で訪れた外国人の数は3851人で、2013年の6134人と較べて約37%減だった。ちなみに2012年の数字だが、中国人観光客の数は23万7000人と欧米人に比べて圧倒的に多い。

ホテルのレストランの女性店員 (画像:qwert963852)
ホテルのレストランの女性店員 (画像:qwert963852)

韓国客の減少について、英国「ルーピントラベル」の関係者は「エボラ対策で観光客の入国を禁止した上に、マスゲーム「アリラン」を開催しなかったことが主な原因だ」と米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語っている。

また、英国「キングス・カレッジ」のらモン・パチェコ・パルド教授は「北朝鮮当局が米国人観光客を抑留したため、訪朝しようとする観光客に不安感を与えてしまった」とRFAに語った。

停滞気味の「北朝鮮観光業」だが、今後の見通しについて、旅行会社の関係者の間では「西洋人の北朝鮮旅行ブームは過ぎた」という見方がある一方、「見通しは明るい」と語る旅行関係者もいる。

各旅行会社は2015年に北朝鮮を訪れる外国人の数は2014年と較べて23%増えるだろうと予想している。それを裏付けるかのように北朝鮮ツアーの問い合わせは大幅に増えているという。

また、5月に開かれた平壌国際マラソンの外国人参加者は600人で、昨年に比べて3倍以上増加した。

北朝鮮旅行関係者によると、当初は1000人以上の予約を受け付けていたが、「外国人参加を認めない」との発表があったため多くのキャンセルが発生。最終的に、参加を認めたため追加を含めると600人という数字となった。

東洋、西洋問わず「北朝鮮へ行ってみたい」というツーリストは少なくない。しかし、国の政策によって入国できたりできなかったし、または危険が伴うという不安材料が多いため、なかなか安定した観光産業とはならないようだ。

こうした北朝鮮観光産業について、旧ソ連時代に北朝鮮に留学した経験を持つ韓国国民大学アンドレイ・ランコフ教授はRFAの番組で、次のように提言した。

馬息嶺スキー場/2015年1月12付労働新聞より
外国人観光客誘致と外貨稼ぎのために建設した馬息嶺スキー場/2015年1月12付労働新聞より

「北朝鮮が観光で成功するには二つの要素が必要だ。一つは中国人、特に地理的に近い東北地方の中国人が気軽に行ける安いツアーの商品化。二つ目は北朝鮮を『共産主義テーマパーク』と考える西洋人向けに少々高価でも質が高くて多様なツアーを開発することだ」

さらに、金正恩氏肝いりのあの「観光事業」に苦言を呈した。

「馬息嶺(マシンリョン)スキー場は成功しない。わざわざスキーをするため北朝鮮まで行く旅行客はいないだろう。北朝鮮は世界の需要がまったく読めていない」

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