北朝鮮の中学、高校で流行していることはいくつもあるが、代表的なところといえば、韓流ドラマおしゃれ制服韓国風のバースデーパーティなどだ。

平壌の女子中学生 (画像:qwert963852)
平壌の女子中学生 (画像:qwert963852)

こうした流行とともに、最近は「ソビ」と呼ばれるある行為が急速に拡がっていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。言葉の由来は不明だが「サービス」からきているとみられる。

中高生の間に広まる商売

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は「最近、学生達の荷物が大きくなった。鞄の中に、モノを一杯つめこんでいるからだ」と語る。

実は鞄の中には「売り物」がぎっしり詰まっているという。中高生達は、ボールペン、タバコ、食料品、下着などを学校に持ち込み、物々交換したり販売するのだ。取引は主に生徒間で行われるが、教員や地域住民も取引に乗り出すことさえあるという。

中高生の商活動「ソビ」は、北朝鮮社会の商活動が大規模化し、小売よりは卸売がメインになりつつあることが背景にある。少量の買い物なら、市場に行くよりも学校で済ませた方が安くて安心できるからだ。トラブルが起きても教員が間に入って仲裁してくれるという安心感もある。子どもたちも親から「学校で売ってきなさい」と品物を持たされるようになっているという。

教師がブローカー?

両江道(リャンガンド)の学校では「ソビ」がさらに発展し、担任教師のもとには親からこんな電話がかかってくるという。

「台所用洗剤が欲しい。5000北朝鮮ウォンだったら買うから、その値段で売っている生徒がいたらうちの息子に知らせてやってほしい」

「うちに娘にキムチをもたせた。1万北朝鮮ウォンで買うという生徒がいたら、仲介してやってほしい」

つまり、担任教師が仲介業者となっているのだ。また、教員が主導して学校間の大きな取引を行うこともある。例えば、恵山市内のウィヨン初級中学校が持っていた中国製の校内監視装置をマサン高級中学校に売り、代金の代わりに暖房用の石炭を受け取った。

教師たちは、生徒たちに今後教える内容をまとめた「教授案」の作成よりも、商売の帳簿をつけることに熱心になっているという。

日本の学校だったら到底認められないであろう学校内での商業行為だが、北朝鮮当局は黙認している。青少年の教育という視点から見ると決して褒められたものではないかもしれないが、お金を稼ぐことができ、商売のノウハウも学べる「生きた教育」が行われているとも言えるだろう。

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