実は鞄の中には「売り物」がぎっしり詰まっているという。中高生達は、ボールペン、タバコ、食料品、下着などを学校に持ち込み、物々交換したり販売するのだ。取引は主に生徒間で行われるが、教員や地域住民も取引に乗り出すことさえあるという。
中高生の商活動「ソビ」は、北朝鮮社会の商活動が大規模化し、小売よりは卸売がメインになりつつあることが背景にある。少量の買い物なら、市場に行くよりも学校で済ませた方が安くて安心できるからだ。トラブルが起きても教員が間に入って仲裁してくれるという安心感もある。子どもたちも親から「学校で売ってきなさい」と品物を持たされるようになっているという。
教師がブローカー?
両江道(リャンガンド)の学校では「ソビ」がさらに発展し、担任教師のもとには親からこんな電話がかかってくるという。