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北朝鮮はこれまで国内に新型コロナウイルスの感染者はいないとしてきたが、各地で感染が疑われる事例が相次いでいる。24日には開城(ケソン)市で「悪性ウイルス」の感染が疑われる患者が確認されたとして、都市の完全封鎖に踏み切った。

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ウイルスの感染はコロナだけにとどまらない。昨年来、中国から流入したと思われるアフリカ豚熱(旧称アフリカ豚コレラ)の発生が各地で報告されている。また、今年5月には平壌郊外の平壌ダチョウ牧場で、ダチョウが大量死する事件が起きている。鳥インフルエンザウイルスの感染によるものと思われ、これが全国に広がる様相を見せている。

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咸鏡南道(ハムギョンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、道内の定平(チョンピョン)郡、新浦(シンポ)市をはじめとした全国の8ヶ所の養鶏場で鶏が大量に死亡した。

この事案は中央に報告された。政府は20日に全国の畜産基地に対して、鳥インフルエンザに罹患する可能性のある家畜を道の防疫所が責任を持って殺処分し、焼却せよとの指示を下した。

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だが、このような指示が徹底されることは少ない。ただでさえ食糧が不足している北朝鮮で、貴重なタンパク源である家畜を焼却処分するのに抵抗を感じる人が多いと見られるためだ。通常は、ワイロを受け取って市場に横流しされる。

(参考記事:北朝鮮、鳥インフル殺処分対象の鶏を市場に横流し

当局は、このようなことを防ぐために畜産基地や市場に対する取り締まりを強化し、違法行為が明らかになった場合には法的処罰も辞さない方針を示した。

また、畜舎や牧場の消毒作業を定期的に行うよう指示すると同時に、中央の獣医畜産防疫所が、各道に担当イルクン(幹部)を派遣させ、畜産基地の消毒、防疫の作業の進み具合を点検、その結果を報告させるように指示を下した。

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また、個人宅で生活のために鶏やアヒルを飼う者が多いが、これらに対する点検を抜かりなく行うように地元の獣医防疫所に指示を下した。防疫の徹底を呼びかける宣伝事業を行い、人民班(町内会)を通じて個人宅を訪問、点検の上、結果を報告せよというものだ。

当局は、一連の作業を終えた後にまた鳥インフルエンザが再発されば、単純ミスではなく担当者の職務怠慢によるものとみなし、解任、撤職(更迭)したり、朝鮮労働党による処罰を行うと強調している。