整理すると、(1)党創立記念日に中国共産党要人を招き入れ、ミサイル発射を取りやめて、モランボン楽団を派遣(2)公演直前に水爆に言及する(3)モランボン楽団の公演でミサイル発射を称える映像を流すーー極めて巧妙なワナといえる。
中国が、このワナにはまっていれば、北朝鮮の核・ミサイルを「黙認」したかのような既成事実を押しつけられ、国際社会で大恥をかいていただろう。しかし、寸前になって中国はこのワナに気づき、モランボン楽団の公演はドタキャンされることとなった。
そして、年明け早々、北朝鮮は核実験を強行した。
水爆実験の翌7日、北朝鮮は核実験を正当化する論説を展開しているが、そのなかに気になるくだりがある。
「これまで、米国の核脅威・恐喝を受けるわが国をどの国も救おうとしなかったし、同情もしなかった」
(参考記事:北朝鮮、「正義の水爆を保有」…核実験の正当化と反米姿勢を鮮明に)