北朝鮮ではインターネットユーザーが一人もいないという衝撃の事実が発表された。

ユネスコと国際電気通信連合が発表した報告書「2015年ブロードバンドの現状」で明らかになった。

報告書の「2014年の開発途上国におけるインターネット使用者率」という統計によると、北朝鮮は144カ国中、唯一の0%を記録。インターネットが使われていないただ一つの国家になる。しかし、これはあくまでも統計上の数字だ。

金正恩第1書記をはじめとする最高指導者層や国家機関、さらに諜報機関などが、インターネットにアクセスしていることは間違いない。また、労働新聞や朝鮮中央通信などの国営メディアのサイトは、随時、更新されている。その他、平壌駐在の各国外交官などを含めると「使用率0%」という数字は現実的ではない。

ただし、一般住民のインターネットへのアクセスという点では、中国の携帯電話を持っている密輸業者などを除けば、ほぼ完全に遮断されている。

他国の状況を見ると、インターネットやメディア統制の厳しいアフリカのエリトリアは1%。数年前まで、アクセスが規制されていたミャンマーは2.1%で137位だった。1位はカタールの91.5%、韓国は84.3%で4位を記録した。

一方、「ブロードバンドに接続可能な携帯電話の普及率」、つまり3G携帯電話の普及率では、100人中11.2人で、189カ国中132位を記録した。可能性は低いが、もしインターネットへのアクセスが解禁されれば、北朝鮮には200万人以上のユーザーが記録されることになる。

ちなみに1位はマカオの322.2人で、1人が携帯電話を3.2台持っている計算となる。また、日本は121.4人で6位、韓国は108.6人で13位を記録した。

平壌在住の外国人は、コリョリンクの外国人用ネットワークを使ってインターネットへの接続が可能だ。しかし、外国人観光客はホテルのパソコンでも、自分の携帯電話でもインターネットに接続することができない。最近、訪朝したインドネシア人の夫婦は、ネットが使えないもどかしさを次のように語った。 「旅先から画像や動画をTwitterやFacebook、Instagramに投稿するのが当たり前なのに、北朝鮮で過ごした数日間、それが全然できなかったんだよ。まるで何十年も昔に戻ったようなみたいだったね」

「板門店のそばのコンクリートの壁のあるところに案内されたんだけど、突然携帯電話が鳴り始めたんだ。驚いて携帯を取り出してみたら、韓国のSKテレコムの電波につながってて、Twitterの通知がバンバカ来たんだ。慌てて『北朝鮮なう』とツイートしようとしたんだけど、電波が弱かったのか、ツイートできなかったんだ。残念!」

「鉄道に乗って中国に戻る時のこと。新義州の駅を出て列車が鴨緑江の橋に差し掛かる直前になって携帯電話がインターネットに繋がったんだ。興奮のあまり、思わず妻の顔を見て『自由の国にお帰りなさい!』(Welcome back to the land of freedom!)と叫んでしまったよ。ここは中国なのにだよ!」

まだまだ、IT後進国の北朝鮮。逆に言えば、開放されれば急成長するポテンシャルがあるとも言える。

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