彼らが、個人耕作地につきっきりになる理由について情報筋は「農作物を守るため」と述べる。
「畑から少しでも目を離すと、半年の時間を費やして育てた作物が一瞬にして盗まれてしまう。家族が交代で小屋に住み、昼は収穫、夜は畑の番をするのだ」(内部情報筋)
生活を守るための手段でもあるが、こうした状況に、ほとほと困り果てているのが、協同農場や人民班(町内会)の班長、保安員(警察官)など農民たちを管理する側の人間だ。
人民班長や保安員は、中央からの指示を農民たちに伝える重要な任務を担っている。以前なら「会議や講演会を開く」といえば農民たちが集まったが、今はもう来ない。
出席させようと協同農場内の家を訪ねても、そこにいるのは老人や子供ばかりで肝心の大人が誰もいない。彼らがいるはずの個人耕作地の掘っ立て小屋を訪ねようにも、どこに誰が住んでいるのか把握すらできておらず、さらに小屋は広範囲に分散しているため、戸別訪問は困難だ。
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