北朝鮮は使用料を払えば畑を個人耕作地を使うことが認められている。2000年代初頭には個人耕作地が奨励され食糧難をある程度緩和するのに役立ってきた。ところが、当局は急に土地の使用料を上げて個人耕作地の締め付けにかかっている。

 

軍事境界線にほど近い江原道のはげ山(本文とは関係ありません)
江原道の山。中腹や稜線にも畑が見える。(本文とは関係ありません)

金正恩「はげ山に木を植えよ」指示以降に締め付け強化

江原道(カンウォンド)のデイリーNK内部情報筋は「昨年から農村の個人耕作地の使用料を現金ではなく現物で収めるように指示が下された。昨年までは1町歩(約1ヘクタール)あたり穀物500キロ分でよかったが、今年からは750キロになった」と伝えた。

「使用料を現金ではなく現物で収めよとの指示が下されたのは『はげ山樹林化について』の将軍様(金正恩氏)の方針が下されてからだ。使用料の5割値上げは畑を国に返せというのも同然だ」

北朝鮮はこのところ「山林復旧」を繰り返し強調しており、2月26日には金正恩氏の長文の談話も発表されている。

使用料大幅値上げで作物ほとんど残らず

北朝鮮のほとんどの農民は、自宅の裏山や少し離れた高い山の中腹を耕作し、トウモロコシ、キビ、豆などの雑穀を植えて糊口をしのいできた。傾斜地は耕作条件が悪く、1町歩の畑から1トンの収穫を得るのも難しいため、750キロも持って行かれたらほとんど何も残らないと内部情報筋は指摘する。

「農民たちは『小規模な商売や耕作でなんとか食いつないでいることを当局は充分知っているはずだし、配給もまともにくれないくせして一体どうしろと言うんだ』と口々に不満を述べている」

「不満の高まりにも地域の幹部は『元々土地は国のものなのに不満ばかり言うな。嫌なら土地を返せ』とがなるだけだ。軍の幹部の間では山林樹林化のために山にある畑を回収しようとしているようだとの噂がある」(内部情報筋)

以前にも個人耕作地規制で大反発を食らった前歴が

内部情報筋によると、2009年に個人耕作地は30坪を上限とする規制を導入した。郡人民委員会の役人がやって来て畑を測量し基準を超える畑はすべて強制的に回収する措置をとった。また、2013年には10坪に減らされた。

家の周りの畑以外はほとんど没収された農民たちは当面の食べるものにも事欠くような事態に陥った。当然のことながら大反発を受けたので、当局は1坪300ウォンの使用料でまた畑を使えるようにした。

内部情報筋は、前回のようにするとまた反発を食らうので、使用料を上げて畑を自主的に返上させるように仕向けているのだろう、と分析している。

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