「使用料を現金ではなく現物で収めよとの指示が下されたのは『はげ山樹林化について』の将軍様(金正恩氏)の方針が下されてからだ。使用料の5割値上げは畑を国に返せというのも同然だ」
北朝鮮はこのところ「山林復旧」を繰り返し強調しており、2月26日には金正恩氏の長文の談話も発表されている。
使用料大幅値上げで作物ほとんど残らず
北朝鮮のほとんどの農民は、自宅の裏山や少し離れた高い山の中腹を耕作し、トウモロコシ、キビ、豆などの雑穀を植えて糊口をしのいできた。傾斜地は耕作条件が悪く、1町歩の畑から1トンの収穫を得るのも難しいため、750キロも持って行かれたらほとんど何も残らないと内部情報筋は指摘する。
「農民たちは『小規模な商売や耕作でなんとか食いつないでいることを当局は充分知っているはずだし、配給もまともにくれないくせして一体どうしろと言うんだ』と口々に不満を述べている」