正恩氏が、各国の国家元首が集まる国際舞台に参加すれば、正日氏も果たせなかった国際行事での外交デビューとなる。すなわち「親父越え」を果たすわけだ。さらに金日成氏の政治手腕を踏襲しようとしている正恩氏が、対外的にも「金日成氏の再来」を印象づける大きな機会になるだろう。
自己顕示欲が強い正恩氏ならロシア訪問を通じて外交デビューを果たしたい思いはあるかもしれない。しかし、それ以前にクリアすべき大きなハードルが存在する。
そもそも北朝鮮が米韓と対立している今の状況下で、対立する国家が参加する式典に金正恩氏が参加できるのか?という点だ。
正恩氏の「外交デビュー」に嫌な予感
2005年の60周年記念式典には金正日氏も招待されたが参加しなかった。参加したのは韓国の盧武鉉元大統領、米国のジョージ?W?ブッシュ大統領、中国の胡錦涛国家主席、日本の小泉慎一郎総理など53カ国の首脳だ。