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ロシア側からすれば、「引きこもり」に近い正恩氏を外交の場に引きずりだすことができれば、東アジア国際政治で一定の評価を得ることができる。ウクライナ問題やルーブル下落で、凋落著しい自国の権威を挽回するチャンスだ。

一方、北朝鮮にとっては、ただでさえ冷え込んでいる中朝関係がさらに悪化するリスクもあるが、ロシアから新たな支援を得られるという点では魅力的な話だろう。

ただし、これはあくまでも楽観的なシナリオに過ぎない。金正日氏が最高指導者になって以後、北朝鮮外交は周辺の予想や期待を裏切りつづけてきたからだ。そもそも北朝鮮の最高指導者は、実は35年以上も国際行事に参加していない。

正恩氏は「親父越え」を果たせるのか

最高指導者の国際行事参加は、1980年に金日成氏がユーゴスラビア(当時)のチトー氏の葬儀に出席して以来、実現していない。正日氏は中露を外遊したが、複数の国家元首が集まる国際行事には一度も参加しなかった。