北朝鮮当局は昨年秋から国境地域において、携帯電話による外部(中国、韓国)との違法通話の大々的な取締を行っている。

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それに伴い、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の茂山(ムサン)だけでも30人余りが逮捕されている。

かける相手を間違えると「銃殺刑」も

咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋は次のように伝える。

「電話をしようと携帯電話の電源を入れると1、2分で保安員がやって来る」

「中国、韓国との電話は命がけ」

「9月初めに『中国、韓国との電話は自首すれば許す』という話があった」

「送金を受け取ると電話をしたことがバレると思った人が自首したところ、逮捕されて鍛錬隊(軽犯罪者を収容する刑務所)送りになった」

【参考記事】北“不法で携帯電話を所持している者は自首せよ”

中国、韓国との電話が発覚すると人民元で1万元の罰金が課せられる。教化所1年の刑を受けた送金ブローカーもいる。

このような状況でブローカーを見つけるのは至難の技だ。ようやく見つけても、送金手数料は送金額の30%が50%に高騰している。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋の証言もそのような状況を裏付ける。

「携帯電話違法通話取締が数ヶ月に及び、保衛部の留置場が足りなくなった」

「保衛員たちは『今回は大目に見ない。外部との通話が二度とできないようにする」と取締に意欲的だ」

「逮捕されても賄賂を渡せば保釈される。取調室で殴られるよりはましだと、お金を借りてでも保釈を受ける人もいる」

「保衛部に携帯電話を差し出して危機を逃れることもあるが、それでも安心はできない」

外部との電話は概ね罰金や短期間の懲役で済むようだが、銃殺されたケースもある。携帯電話の普及は進んでいるが、かける相手を間違えると命に関わる。

【参考記事】北朝鮮内部で携帯電話を使用した住民が銃殺

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