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韓国の東海岸にある江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)で11日午前、大規模な山火事が起きた。当日の夕方までには鎮火できたものの、文化財を含め240の建物が焼失し、1人が死亡、焼失面積は少なくとも379ヘクタールに達した。

昨年3月には同じ江原道で4000ヘクタールが焼失、南に隣接する慶尚北道(キョンサンブクト)では同月に2万923ヘクタールが消失するなど、毎年のように大規模な山火事が相次いでいる。

このように山火事が相次ぐのは、朝鮮半島では対馬海峡に面した地域などを除いて、春先に雨があまり降らないのが一因だ。また、地球温暖化の影響からか、少雨の傾向が近年に入ってより深刻になっている。これは農業にも悪影響を及ぼす。韓国各地では、農業用の貯水池やダムの水位が極度に低くなり、対策に追われているが、北朝鮮ではより深刻な問題として現れる。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、今年の春の日照りは、昨年とほぼ同じか、若干ひどい状況。風が吹くたびに畑からは土煙が舞い上がり、田んぼはからからに乾いた状態だという。また、貯水池の水位も極端に低くなっている。

朝鮮労働党機関紙・労働新聞は17日、「地下水施設を準備したからと油断してはならず、袋に水を入れて用意するなど、日照りを予見して対処しなければならない」「日照りや大雨の被害を防ぐことのできる現実的な措置を考えなければならない」と論じている。

(参考記事:北朝鮮で深刻な少雨、麦畑は全滅直前

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しかし、現場の農民の立場からすると、これらは「机上の空論」に過ぎないと、情報筋は吐き捨てる。

「新聞や放送で報じている灌漑工事だけで水不足の問題を解決できるわけはなく、水袋作りや灌漑用電力優先供給も同じだ」

平城(ピョンソン)や順川(スンチョン)では大同江(テドンガン)から、安州(アンジュ)、粛川(スクチョン)、文徳(ムンドク)、平原(ピョンウォン)などの穀倉地帯では、清川江(チョンチョンガン)や台白湖(テソンホ)から水を引いて使っているが、揚水機を使わず自然の流れに任せる方式であるため、深刻な日照りには役に立たないという。

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結局、農民は水をバケツなどに汲んで田畑に撒くしかないが、当然のことながら重労働だ。その水源である井戸水すら減りつつあり、農業用水も心配だが、自宅で使う水道水も1週間に3〜4日しか出ない状況だ。井戸水を手動ポンプで汲み上げ、貯水池や湿地にためておいて、利用するしかない。

そうなると、今度は腸チフスなどの水系感染症の問題が生じる。こちらは水を沸かして飲むなど対処方法があるが、日照りに関しては対策に限界があり、農業生産の増産に力を入れる北朝鮮としては頭の痛い問題だろう。

(参考記事:伝染病の広がる北朝鮮「飲用に適した水はわずか10%」