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北朝鮮の刑法は、他人にカネを貸して利子を取る行為を禁じているが、実際には当たり前のように行われている。いわゆる「ヤミ金」だが、最近になって債務者と債権者の間でトラブルが続発しているという。咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

中国との国境に面した会寧(フェリョン)では、先月初旬まで1元が900北朝鮮ウォンだったのだが、先月29日には1155北朝鮮ウォンと、元高ウォン安傾向となった。(1元は約20円、1000北朝鮮ウォンは約16円)

極端なゼロコロナを目指して人と物の出入りを遮断し、鎖国状態に入った北朝鮮では、一時1元が500北朝鮮ウォンとなっていたが、最近ではコロナ前の水準に戻りつつある。

ヤミ金業を営んでいるトンジュ(金主、ニューリッチ)は、人民元を基準に額を定めて北朝鮮ウォンに換算してカネを貸すが、元が非常に高くなったとの理由から、その分を上乗せして払えと債務者に要求するのだ。

(参考記事:コロナ鎖国下の北朝鮮で増殖する「ヤミ金」トラブル

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市内に住むある人は、今年2月に商売の元手として160万北朝鮮ウォンを借り、毎月利子を払って、年末に全額返済しようとしたところ、ヤミ金業者からレートに合わせて231万北朝鮮ウォンを支払えと要求された。

しかし、「元で借りたわけでもないのに、なぜ今になってレートを根拠にして上がった分を払えというのか」と猛反発している。

工業製品の販売をしている別の人は、業者から200万北朝鮮ウォンを借りたが、先月23日に返済しようとしたところ、271万北朝鮮ウォンを要求され、口論となり、ついにはお互い暴力を行使するまでに至った。安全部(警察署)に連行された彼は「再びトラブルを起こせば、労働鍛錬隊(軽犯罪者を収容する刑務所)送りになる」との警告を受け、自己批判書を書かされる処分を受けた。

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人民元の高騰は、市場で販売する商品や、国内製であっても原材料の多くを中国に頼っている北朝鮮経済の現状では、物価高騰を招いている。

(参考記事:進むドル高、物価高でますます苦しい北朝鮮庶民の暮らし