収穫が最盛期を迎える1月になると、作物を満載したトラックが、全国で有数の規模を誇る卸売市場のある平城(ピョンソン)へと向かう。中には、平壌の小売市場に直行するものもある。
こうして栽培された野菜や果物は、かなりの高値で取引される。例えば、イチゴの卸売価格は1キロ15000北朝鮮ウォン(約225円)だ。これはコメ3キロ分の小売価格に匹敵する。2月16日の光明星節(金正日総書記の生誕記念日)ともなると、倍に跳ね上がる。
こうして得られる利益は、1シーズンに2000ドル(約23万円)に達する。このようなハウス栽培は全国どこでもできるというものではなく、購買力を持った人々が多く住む都会の周辺に限られる。しかし、市場経済化がさらに進み、地方の中小都市にも金持ちが増えれば、その近郊の農村でハウス栽培が行われるようになるかもしれない。
(参考記事:「富農」も登場、変容する北朝鮮の農村…ニューリッチ相手の商売で大儲け)