台風10号(ライオンロック)により甚大な被害が発生した北朝鮮北東部。当局は10万人を被災地に投入し「一心団結の巨大な威力で禍を転じて福となす奇跡的勝利を収めよう!」などと鼓舞しているが、実際には被災地の復旧よりも脱北や情報の流出、流入の遮断に熱心のようだ。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、国境付近の被災地の様子を次のように伝える。
「被災地に道、市、郡の保安署(警察署)から要員が多数派遣された。復旧に動員された人々が脱北しないよう監視を行うためだ。」
保衛部(秘密警察)の要員も動員され、携帯電話で中国や韓国と通話しないか監視を行っている。被災地の詳しい状況が海外に知れ渡ったり、海外から情報が入ることを恐れているためだ。さらに、携帯電話の通話を妨害する電波の発信も行っている。