秋の収穫が真っ盛りの北朝鮮の協同農場で、農場の幹部たちが都会の住民や学生が参加する農村支援を受け入れられないと強く主張しているため、各地で農村支援戦闘が行われていないことが明らかになった。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、支援者の受け入れを拒んでいるのは、協同農場の幹部たちだ。支援者は、昼間は収穫を手伝っているが、夜になればみんな泥棒に豹変して食糧を盗むからという理由からだ。

今年の作況は非常に悪いため、幹部も農場員もコメ1粒でも多く収穫するために、あらゆる手段と手を尽くしている。しかし、中央からやって来た指導幹部は、国が定めた収穫のスケジュールに合わせることしか考えておらず、のべつ幕なしに支援者を送り込もうとするため、農場の幹部との間に摩擦が生じている。

一方の指導幹部は、秋の収穫が遅れたら責任を負わなければならないため、1日でも早く収穫を終えたがっている。しかし、農場の幹部たちは収穫が少し遅れたとしても穀物がなくなることを阻むために、農場員だけで刈り入れをしようとしているため遅れているのだ。 両江道(リャンガンド)の別の情報筋によると、今年の作況が悪かったため、各農場は時分たちの分け前を確保するだけで精一杯だ。支援者に来られると分け前が減ってしまうため、受け入れを拒否している。

お上は「収穫を終わらせるために、ともかく支援者を受け入れよ」と言っているが、農場の幹部たちは「どう転んでも死ぬんだから、自分の分け前を確保してから死んでやる」などと言っている。

デイリーNKでは、今月11日に新義州(シニジュ)市のリュチョ里の収穫の様子を報じたが、例年なら支援に来ている学生と支援者の姿がほとんど見えなかった。

「150日戦闘」に続き「100日戦闘」も推進して、住民を農村支援に追いやっている北朝鮮で、「猫の手も借りたい」ほど忙しい収穫の時期に農場が閑散としているのは異例のことだ。

北朝鮮当局は、10月1日から農業省の実態調査団を地方に派遣して、農村支援事業が正しく行われたのかという点を調査し、今年の収穫高が減少した責任をそれぞれの農場で問い詰めているという。 農場員の手が及ばない田んぼの隅の方まで見て回って草取りの実態を調査したり、農場から土の標本まで採取して供給された肥料がきちんと使われているのか確認している。また、各作業班の「努力日誌」を分析し、農場員の証言を集めるほどの細かさだ。

農場に対する政府の監査が厳しいため、農場の幹部と農場の指導幹部の諍いも絶えない。

咸鏡北道の別の情報筋によると、茂山(ムサン)郡の農村経営委員会は「該当の農場管理区域にある個人耕作地収穫された穀物は、農場の生産量に含めよ」という指示を出した。一方、農場の幹部たちは「収穫が多少遅れても、支援者は受け入れない。受け入れると穀物が盗まれるから」と強く主張しているという。

同じ農場でも、一般の農場員の考えは違う。収穫が遅れて雨に当たれば、穀物がダメになってしまうからだ。

情報筋は次のように締めくくった。 「仕事がむちゃくちゃになるのはお上のせいなのに、その責任は下に負わせる。けんかにならないわけがない」 「まともに農業をするなら、農民の意見を尊重せよ。国はあまり干渉するな」

    関連記事