北朝鮮当局が、内陸を走る鉄道路線の改造工事に着手したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、工事が行われるのは道内の茂山(ムサン)と両江道(リャンガンド)の白岩(ペガム)を結ぶ白茂(ペンム)線だ。

この路線は、日本の植民地時代だった1934年から1944年にかけて、木材運搬用に建設された。線路幅が狭い狭軌(762ミリ)で、標準軌(1435ミリ)の他の路線との直通運転ができない。また、傾斜も曲線も激しく、途中にはスイッチバックがあるなど、非常に使い勝手が悪い。

このうち、白岩から延岩(ヨナム)までの55.9キロは2006年に標準軌に改軌されたが、残りの135.8キロは狭軌のままだった。今回の改造工事は、この区間を標準軌に改軌し、電化、移設することが目的だ。

それだけでなく、情報筋は「軍事的な目的もある」と語った。

北朝鮮の鉄道路線は、海岸線に沿って走るものが多いが、有事の際に敵の艦隊からの艦砲射撃に晒される危険性が高い。また、北部山間地帯を走る路線は中朝国境沿いにあり、いざというときに中国から何をされるかわからないという不安がある。

「工事が予定されている白茂線は、海岸線からも中朝国境からも遠く離れていて、軍事上の理由で欠かせない路線だ。山岳地帯を走っているため、敵からの爆撃を受けにくいというメリットもある」(咸鏡北道の情報筋)

ただし、その分、工事が難しく、進捗状況は芳しくないとのこと。両江道(リャンガンド)の情報筋は語る。

「線路周辺の住民は建設用地の確保のために家を失う危機に瀕しており、『白頭山観光鉄道もできていないくせに、また鉄道工事か』という不満の声を上げている」(両江道の情報筋)

また、沿線の延社郡は全体の8割以上が山林で、鉱山もなければ産業もない。つまり、立派な鉄道を敷いても特に使いみちはないという。

    関連記事