北朝鮮の金正恩氏は90年代後半、スイスの首都ベルン近郊で留学生活を送っていた。彼の地での暮らしは4年とも8年とも言われているが、険しくも美しいアルプスの山々が、若かりし頃の彼の脳裏に深く刻まれたことは想像に難くない。
そのせいか、金正恩氏の「スイス愛」には特別なものがあるようだ。
夫人や指導者に贈る高級時計、ワイン、化粧品などはスイス製が多いと伝えられている。それだけに飽きたらなかったのか、金正恩氏はビッグプロジェクトをぶちあげた。それは「北朝鮮スイス化計画」と言うべきものだ。
韓国との軍事境界線にほど近い江原道(カンウォンド)の洗浦(セポ)台地。5万数千ヘクタールもの荒れ地を開墾、巨大な牧草地を作り、様々な家畜を飼育して、食肉にするというのだ。さらにそこに観光客まで呼ぼうという壮大な計画だ。