同時に栽培されているのは、金正恩氏が命名した「愛国草」なるものだ。詳細は不明ながら、金正恩氏の「洗浦の地域の特性に合った牧草を開発せよ」との指示に基づき、品種改良の末に誕生したこの「愛国草」。金正恩氏はとても気に入ったようで「全国的に栽培せよ」との指示を下した。

ところが、管理人員があまりにも少ないため、クローバーや「ジモ」という草が根を張ってしまい、そのせいで牧草用に植えた愛国草が育たず、現地の人々は頭を抱えているという。

牧草に詳しい人なら首をかしげるだろう。なぜなら、クローバーは代表的な牧草だからだ。また、「ジモ」または「ジモシ」は、ティフトン419という米国での品種改良で生まれた芝生だ。つまり、牧草を抜いて別の牧草を植えるというコントのようなことを真剣に行っているのだ。

他の国なら早々にツッコミが入るところだが、北朝鮮ではそうはいかない。たとえ間違った指示であったとしても、最高指導者の方針に楯突けば、間違いなくクビが飛ぶからだ。

金正恩氏は、夢である「北朝鮮スイス化計画」が、自らの体制の機能不全により挫折しようとしていることに気付いているのだろうか。

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