北朝鮮は、36年ぶりの「朝鮮労働党第7回大会」を5月上旬に開催すると発表しているが、いまだに正式な日程は明らかにしていない。そんな中、平壌市内は、厳重な警戒態勢が敷かれており、開催に向けた空気が流れはじめているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は「太陽節(故金日成主席の生誕記念日)を祝う行事が終わった直後から、党大会に向けた警戒態勢に入った。当局は、地方住民の平壌入市を制限し、出張や旅行で平壌市内に滞在している地方在住者に対しては即刻平壌から出て行くように命じた」と明かした。

北朝鮮当局は、大きな政治行事があるたびに、地方住民の平壌入市を厳しく制限するなどの措置を取ってきた。しかし、5月上旬だとしても、この時期から警戒態勢に入るのは異例だと情報筋は述べた。

情報筋によると、地方からも国家安全保衛部(保衛部=秘密警察)の関係者が大挙動員され、平壌市内のいたるところで警戒に当たっているという。

地下鉄駅の改札付近では、保衛部が少しでも怪しいと思った人を次から次へと連行し、身分証と荷物の検査を行っている。さらに、道端の森やマンホールに身を潜めている要員までいる。金日成氏、正日氏の銅像などの革命史跡はもちろん、遊園地などの娯楽施設に至るまで、市内は秘密警察だらけだという。

地方政府も、工場や人民班(町内会)を通じて住民を動員し、朝から晩まで銅像、革命史跡、町の入口などで二人一組で警備に当たらせている。

当局は「党大会期間中の事件、事故は1件たりとも許してはならない」との姿勢で、住民に対する厳しい思想調査を行ってきたが、たたでさえ不満が高まっているところに始まった厳重な警戒態勢に対して、平壌市民の間からは不満の声が上がっている。

情報筋によると、平壌市民たちは口々に「配給もくれないのに、こんなに警戒を厳しくして、どうやって暮らせと言うんだ」と不満を口にしているという。平壌市内の市場には、郊外の平城(ピョンソン)や順川(スンチョン)の卸売市場から様々な物資が運び込まれるが、平壌入市が制限されると、入ってこなくなるからだ。

一方「党大会で、どんな新しく珍しい対策が打ち出されるのか楽しみだ」と皮肉交じりで語る人もいるという。

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