北朝鮮では、「光明星節(2月16日:故金正日氏の生誕記念日)を前後に、特別警備週間が実施されている。そんな中、住民の間から金正恩第一書記に関するデマが広がっているという。

このデマの沈静化に向けて、国家安全保衛部(秘密警察)までが捜査に着手するほどだと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。一体、どのようなデマなのか。

別荘に避難用の秘密の洞窟?

咸鏡北道の鏡城郡オンポ地区に、金正恩氏の特閣(別荘)が存在する。今回のデマは、この別荘をめぐるものだ。RFA咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は語る。

「元帥様の別荘に軽飛行機が離着陸できる飛行場がある。さらに、海へ逃げることができる洞窟、国境を越えて中国まで続く地下の洞窟と線路が完備されているという噂が広がっている」

この話の真偽は不明だが、噂は拡散する一方で、住民達は次のように憤っているというのだ。

「南北有事の際、人民は歩いて逃げて、元帥様(金正恩氏)は空を飛んで逃げるだろう」

「人民大衆がどうなっても最高指導者だけが生き残るつもりだ」

咸鏡北道の別の情報筋によると「当局はデマの拡散を危険視し、ついに国家検察が秘密警察と合同で捜査に着手した」という。

デマの発信源

また、住民監視の末端組織である「人民班」では、「革命的警戒心を高め、党の一心団結をあらゆる面から強化しよう」という内容の会議が開かれている。

この情報筋は、北朝鮮当局の宣伝について、「金日成・正日時代には、バカンスのために豪華な特閣が建てられたが、金正恩氏は、戦争が勃発した時、一人で逃げるために中朝国境の近くに莫大な費用をかけて要塞を建設している。これを隠蔽するために、住民の噂が広まらないように躍起になっている」と非難した。

秘密警察は、別荘がある京城(キョンソン)郡と順安(スナム)市場を往来するトラック行商人をデマの発信源と見ており、捜査しているとのことだ。

南北対立が深まるなか、北朝鮮の一般住民の不安心理が増幅されて、こうした噂が出回っていると見られる。

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