金正恩第1書記が、昨年から朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対して、国際社会からの制裁に備えるよう指示を出していたと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。第4次核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験を強行した場合、国際社会から制裁を受けることをあらかじめ覚悟していたというのだ。

旧正月を前に、訪中した平壌在住の北朝鮮住民はRFAに次のように語った。

「昨年、金正恩氏は軍部に『今後3年分の軍用米をあらかじめ用意しおくように』と指示しながら、まめに点検していた」

金正恩氏のこうした指示に、ほとんどの住民は気にしていなかったが、幹部や勘のいい住民は「金正恩氏が何か大きなことをやろうとしている」と予測していたという。

そして、その後の核実験や長距離弾道ミサイルの発射実験によって、「やはり、そうだったか」納得する一方で、次のように不安視している。

「軍用米を確保せよ!と指示されても、空から米が落ちてくるはずもない。結局は、農民から絞り取るしかないだろう。(金正恩氏が)約束した分組管理制の分配原則を、毎年守らなかった理由が今になって分かった」

また、首都・平壌は「特別配給」の対象となっているが、配給事情は日増しに悪化しており、金正恩氏の「軍用米確保指示」の影響という声も出ている。

「今年は統一大戦がある」

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の別の情報筋は「各単位の事業場が運営する生産された農産物まで軍隊が持って行くので、我々まで回ってこない」と語った。

教養学習の時間では「米帝の共和国敵対策動と制裁騒動のために国家経済が厳しくなっている」と繰り返し強調しながら「この状況を克服するために『自力更生』というスローガンが掲げられてきたが、最近は『自彊精神』というスローガンに変わった」という。

また『今年は統一大戦がある』と強調されており、今年に入って懲役のための身体検査を受ける兵士たちは『統一兵士』と呼ばれているという。

ある中国の対北朝鮮消息筋は「金正恩氏が、制裁にむけて対策を取ったとしても、中国とロシアの援助を期待するしかない。しかし、今回は両国の支援も限定的にならざるをえない。結局、一般住民に制裁のしわ寄せがいく」と述べた。

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