そもそも米国や日本などは、北朝鮮が残忍な独裁体制であるという前提を忘れがちではないか。経済制裁に苦しむ中で民意が体制から離反し、あるいは国際社会への復帰を求めて政府への反発が強まるのは、それなりに民主主義システムを備えたイランのような国であればこそだ。
国民が反発を表す前から捕まえて投獄してしまう北朝鮮のような国で、そんな現象は起こりようがない。
では、金正恩氏の暴走を止めるために、何も打つ手がないのだろうか。そんなことはない。
想起して欲しいのは、抑圧されている北朝鮮の国民の利益と、地域の安定を望む周辺各国の人々の利益は、大きなところで一致しているということだ。
厳しい経済難からの脱出を望んでいる北朝鮮の国民は、周辺各国との経済協力を何より望んでいるはずだ。核開発を放棄することで確実に経済協力を得られるとなれば、ほとんどの北朝鮮国民は賛成票を投じるだろう。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面問題は、北朝鮮の体制にはそうしたシステムがないということだ。つまり、北東アジアの安定のためには、北朝鮮には民主化――体制変更(レジーム・チェンジ)が絶対に必要なのである。