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本人に直接ただしてみたものの、こう言って煙に巻かれた。

「あっちは兵役があるんやから、男はみんな軍関係者みたいなものやんか。それに偵察総局みたいな特殊機関の人間が、名刺を差し出してくるわけもない。仮に、どこそこの機関の所属です、と自己紹介された所で、それが本当だとどうしてわかる?」

とはいえ、相手の素性をまったく知らぬまま、外事警察のターゲットになるような「危ない橋」を渡るはずもない。Yは間違いなく、接触相手の正体を知っているのだ。

実は一度だけ、Yの接触相手が正体を現しそうな局面があった。大学教員を通じ、日本政府に接触を図ったとされる一件である。

新聞報道によれば、Yは2012年4月、大学教員に連絡。「最高司令官(金正恩氏)の意向」として(1)敵対する関係でも接触する関係が必要(2)第三国で軍人同士で会いたい(3)交渉の最終目的は設けない―の3点を提示し、日本政府との接触を求めたという。

「新聞報道は違う」

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これについてYは、次のように話した。