今回の核実験によって、一時期、噂されていた党大会前の金正恩氏訪中の可能性は限りなく低くなった。とはいえ、今後も金正恩氏が何かを仕掛けてくることは充分に考えられるだろう。
そんなことを思いながら、昨年の中朝両国の動きを改めて振り返ると、確かに、金正恩氏が、中国を「核ゲーム」に引きずり込むため、あちこちにワナを仕掛けていたふしが見受けられる。
金正恩氏が仕掛けた第1のワナは、昨年10月だった。
ミサイル発射取りやめというワナ
核・ミサイル問題や親中派の張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑したことにより、悪化していた中朝関係だが、労働党創立70周年記念式典に中国共産党序列5位の劉雲山氏が出席。ひな壇で正恩氏と劉氏は手を取り合いながら中朝関係をアピールした。