市場緩和は、労働党、政府が資金を確保しながら、さらに住民からの支持を得ようとする金正恩氏の政策の一環と見られる。すなわち、外貨が枯渇している労働党は、ビジネスの手を広げるトンジュ(金主、新興富裕層)や利権ビジネスに邁進している幹部から、莫大な外貨の上納金を得ようとする。さらに外貨上納金の基礎となる市場を活発化させ、住民に外貨を稼がせようとする狙いだ。こうした背景から、外貨使用が拡散しているのだ。

これまでも、外貨は比較的大きな取引や卸売市場での当たり前のように使われてきたが、市場や露店で「今晩のおかず」を買う際にも使われる。子どもも親にお小遣いをねだる時に「将軍様のお金はイヤ!」と言って、ドルや人民元の小額紙幣を欲しがる。この現象は、地方の中小都市でも珍しくなく、北朝鮮ウォンを使おうとすると「田舎臭い」と言われる。