北朝鮮は中朝国境付近で「白頭山観光鉄道」の建設を進めているが、建設労働者への賃金不払いや山崩れで多くの死傷者を出すなど、問題が多発している。さらに労働者らの「プチ脱北」まで発覚した。

両江道の白頭山観光鉄道の工事現場。雪が降り続く中でも工事が続いていると伝えている(画像:朝鮮中央テレビ11月30日ニュースキャプチャー)
両江道の白頭山観光鉄道の工事現場。雪が降り続く中でも工事が続いていると伝えている(画像:朝鮮中央テレビ11月30日ニュースキャプチャー)

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、建設労働者が、中国に不法入国して木を切ろうとしたことが発覚。中国の公安当局に逮捕されたという。RFAの両江道(リャンガンド)の情報筋は語る。

「青年突撃隊の慈江道(チャガンド)旅団のメンバー3人が逮捕された。彼らは、7人で国境を流れる鴨緑江を越えて、中国吉林省の長白朝鮮族自治県に不法入国し、木を切ろうとしていたところ、中国の公安当局にバレてしまった」

7人のうち4人は逃走したが、残りの3人は武器を持った公安に取り押さえられ、長白県の公安局に連行された。現在、両江道の幹部が、3人の釈放のために長白県公安局と交渉に当たっている。

中国に不法入国してまで、木を切り出そうとした動機は、宿舎で使う薪を調達するためだった。この事件以外にも、突撃隊員が燃料や食糧を確保するために、中国に不法入国する事件が多発し、中朝両国の警察当局は警戒している。

中国当局は、武装警察を川沿いに配備し、北朝鮮当局は、完全武装した国境警備隊員を配備しているため、突撃隊員の不法越境が火種になり、両国の武力衝突すら憂慮される状況だ。

別の情報筋は「中央が燃料を供給してくれないため、突撃隊員の生活は壮絶な状況にあり、それに耐えかねた隊員たちが道内の普天(ポチョン)郡佳林(カリム)里から川を超えて中国側に入った」と語った。川幅は狭く、水深が浅いため、川を超えることは朝飯前だという。

また、北朝鮮側で森林破壊が進んでいることも今回の事件の要因だ。90年代末の大飢饉「苦難の行軍」の頃、北朝鮮の住民たちは、食糧を得るために、山という山の木を切り出し、中国に売り払った。また、山は畑にされた。その結果、北朝鮮にはハゲ山が多く、薪の手に入れるのも一苦労だという。

    関連記事