米国の財務省外国資産管理局(OFAC)は8日、北朝鮮による武器取引と違法資金調達にかかわったとして、北朝鮮の3団体と6個人を制裁対象に追加指定したと発表した。
また、米国総省も北朝鮮の弾道ミサイル部隊を統括する朝鮮人民軍戦略軍を、2014年に複数回の弾道ミサイルの発射を実施したとして制裁指定した。
制裁対象に指定された個人は、端川商業銀行(TCB)ベトナム支部のチェ・ソンイル、キム・ジュンジョン代表、シリア支部のチャン・ボムス、チョン・ミョングク代表、勤務地が明らかにされなかったTCBのコ・テフン、朝鮮貿易銀行(FTB)ロシア支部(ハバロフスク)のキム・ギョンナム代表ら6人。団体としてはヘジン、ピョンジン、ヨンジンの各海運会社が指定された。
OFACは、端川商業銀行が朝鮮鉱業開発貿易会社(KOMID)の活動に関わったということ以外、違法活動の具体的な内容を明らかにしていない。KOMIDは、国連と米国の制裁対象に指定された武器商社であり、北朝鮮の財政を「ドル箱」として支えてきた。
また、ベトナムとシリア、ロシアはいずれも北朝鮮と軍事的に強く結び付いており、今回の制裁指定には、北朝鮮がこれらの国を「抜け穴」として武器取引を続けるのをけん制する目的があるものと思われる。