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事件の舞台は中朝国境の街、新義州(シニジュ)だ。労働党131指導局傘下の強盛貿易会社のカン・テヨン社長は、中国との貿易で年間60万ドルを稼ぎだす優秀なビジネスマンだ。

しかし、20万ドルを労働党に上納し、残りの40万ドルをすべて着服して、労働者には一切賃金を支払わなかった。そればかりか、老人にも暴言や暴力を振るい、労働者の妻に手を出し、愛人を4人も作るなど横暴の限りを尽くした。

そのあまりのひどさに、ある労働者は労働党に「信訴の手紙」を書いたが、もみ消されてしまった。また、他の人が「信訴」しようにも、カン社長は暴力団を雇っているため、怖くてそれもできない雰囲気だった。

善人が刑務所送り

さらに、国も「稼ぎ頭」だからという理由で、カン社長の狼藉を止めようとしなかった。そのためにさらなる被害が発生した。