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同社は、平安南道の郭山(クァクサン)郡に倉庫を建設していたが、そこで働く建設労働者にカン社長は賃金を一切支払おうとしなかった。建設責任者を務めていた除隊軍人の朴さん(仮名)は、自宅と家財道具を売り払って、労働者に賃金を支払った。そしてカン社長に賃金を請求した。

ところが、カン社長は「代わりに倉庫の責任者にしてやる」と言うだけで、朴さんが立て替えた賃金の1000ドルしか支払わなかった。怒った朴さんは工場の窓ガラスを斧で割った。カン社長は「国有財産を破損した」と告発し、朴さんは懲役13年の刑に処せられた。

心優しい朴さんが、逆に理不尽な目に遭ったニュースを聞いた住民たちは怒り心頭したが、その後どうなったかは伝えられていない。これは、2005年に新義州(シニジュ)のデイリーNK内部情報筋が伝えたニュースだが、10年経っても「信訴」制度の機能不全は回復していないようだ。