北朝鮮では、越冬用の「キムチ漬け込み戦闘」が始まろうとしているが、原材料が高騰し一般家庭の財布を直撃しているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

咸鏡南北道地方では、3日から5日までの二日間で冬の「野菜収穫戦闘」が本格的に開始される。まずは「秋の白菜戦闘」を終えて、次の週からは大根掘りが始まるが、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の内部情報筋は「収穫は芳しくない」と予想する。

「今年は、全国的な干ばつと大雨被害が続いたため、ほとんどの協同農場での野菜収穫量が昨年の半分にも満たないようだ。各機関、企業所では近所の協同農場で白菜を収穫するが、昨年より予想の割り当て量が著しく減少すると見られ、住民たちは心配している」

「高くても買う!」

こうしたなか、キムチの原材料である白菜や大根をはじめ、ニンニク、ネギ、唐辛子、塩などの価格が高騰しているという。

「清津の順南(スナム)市場では、白菜1キロが1000ウォンも上って3,000ウォン、大根は500ウォン上がって2,000ウォンだが、この価格でも飛ぶように売れている。道で大根、白菜を積んだ牛車を見ただけで追いかけながら『高くても買う!』と叫ぶ人が多く、騒動も起きている」

昨年の今の時期には、普通に見かけた白菜と大根が見かけなくなったため、今年のキムチ漬け込み戦闘を諦める家庭も多い。

北朝鮮当局が招いた野菜高騰

高騰の原因は自然災害による不作だが、それだけでなく北朝鮮当局の方針も拍車をかけている。

「党中央は、水害被害地域への優先供給方針を掲げた。いくつかの地域の農場では白菜一株ですら他の地域に供給されない。もともと周辺の軍部隊に優先的に供給しなければならないうえに、水害地域の分まで供給するので負担が倍になる」

北朝鮮の一般家庭4人の場合、キムチ漬け込み戦闘に必要な材料は白菜350キロ、大根200キロぐらいだ。ニンニクと唐辛子は、それぞれ3キロ程度、塩は少なくとも18キロ。おおよそ、計150万ウォン程度の費用がかかるが、今年に限っては300万ウォン以上かかりそうだ。

情報筋によると、高騰を招いた当局の方針に対して農民たちは、「一般庶民の食べ物といえばご飯とキムチだが、今年は指でも吸わなければならない。農業一つとっても自由にできない」と暗に非難しているという。

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