北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、「朝米間の平和協定の締結が朝鮮半島問題解決の急務」という論評を通じて、米国と北朝鮮が一日も早く平和協定を締結するべきだと主張した。

米国の「北朝鮮の非核化がない限り、平和協定の対話をするつもりはない」という姿勢に対する反論と見られる。

今月17日、米国のオバマ大統領と韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は首脳会談を開催し、北朝鮮に対し、核および弾道ミサイル開発を禁じた国連安保理決議などを即時完全に順守することを求めながら「2015北朝鮮に関する韓米共同声明」を採択。20日には、米国務省ソン・キム北朝鮮担当特別代表が「米国は、北朝鮮の非核化がない限り、北朝鮮との平和協定の締結にむけた対話をするつもりはない」と明言していた。

北朝鮮外務省は、こうした動きを牽制するかのように17日、朝鮮戦争の休戦協定を平和協定に転換するよう要求する声明を発表していた。

この日の論評では、英仏ベトナムなどの外国メディアが北朝鮮外務省の声明を連日報道していることを根拠としながら「わが共和国の公明正大な提案に対する世界の平和愛好人民の積極的な支持と連帯のはっきりした表れである」と主張した。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。

朝米間の平和協定の締結が朝鮮半島問題解決の急務

朝鮮中央通信社論評

【平壌10月26日発朝鮮中央通信】朝鮮停戦協定を平和協定に切り替えることに関するわれわれの原則的な立場を盛り込んだ外務省の声明が発表された後、世界が沸き返っている。

英国のロイター通信、フランスのAFP通信とラジオ1放送、ベトナム紙「ニャンザン」「クアンドイ・ニャンザン」をはじめ数多くの国の通信、放送、新聞は、「北朝鮮:米国と南朝鮮が核放棄を条件に提案した対話提議を拒否、平和協定の締結を主張」「朝鮮外務省が声明を発表して米国が平和協定の締結に乗り出すことを促す」などと題して朝鮮外務省の声明を連日報じている。

朝米間に一日も早く平和協定を締結して朝鮮半島で戦争の危険を取り除き、平和的環境を整えようというわが共和国の公明正大な提案に対する世界の平和愛好人民の積極的な支持と連帯のはっきりした表れである。

われわれはこれまで、現停戦協定によっては朝鮮半島で武装衝突と新たな戦争勃(ぼっ)発の危険を防ぐことができないため、それを平和協定に切り替えることについて終始一貫強調してきた。

最近、われわれが朝鮮停戦協定を平和協定に切り替えようという立場を再び闡(せん)明したのは、8月の朝鮮半島の情勢から汲み取った深刻な教訓に基づいたものである。

小さな偶発的事件によって情勢が交戦直前にまで突っ走った当時の朝鮮半島危機状況は、現停戦協定ではこれ以上衝突と戦争の危険を防ぐことができないということを最終的に実証し、朝鮮半島での恒久的な平和の環境づくりにおいて急務はほかならぬ朝米間の平和協定締結だということをはっきりと示した。

平和協定の締結が朝鮮半島問題解決の急務になるのは、朝鮮半島の非核化に向けた長期間の対話努力が失敗に幕を下ろしたことにも関連する。 われわれはかつて、非核化の問題を先に論議すべきだという関係諸国の主張を考慮して6者会談で非核化論議を先にしたこともあり、また、核問題と平和保障問題を同時に論議したこともある。

しかし、それらすべてのことは失敗を免れられず、たとえ一時、部分的な合意が遂げられたことがあっても、その履行にはつながらなかった。 今も、米国はわれわれに対する対朝鮮敵視政策を執ように追求しており、増大する軍事的挑発で朝鮮半島の情勢を緊張激化させている。

われわれが米国に平和協定締結の立場を再び闡明したこの時刻にも、原子力空母「ロナルド・レーガン」号を巡洋艦、イージス駆逐艦と共に釜山の沖合いに送り込んで南朝鮮海軍とのいわゆる大規模の連合海上訓練を行っている。

このように、われわれに対する絶え間ない核恐喝策動と核戦争演習に執着している米国がいまも非核化が優先順位だとし、われわれに核を放棄して会談のテーブルに出ろというのはそれこそ、強盗さながらの論理であり、侵略者ならではの単なる詭(き)弁にすぎない。

こんにち、米国がわれわれの平和協定の締結をあくまでも拒否し、朝鮮半島の情勢を緊張激化させているのはこの地域に対する自国の覇権主義的野望と決して無関係ではない。

わが共和国に対する米国の露骨な敵視政策と、次々と強行される大規模な合同軍事演習、そして核打撃手段の南朝鮮への搬入などはすべて朝鮮半島で対決と緊張激化の悪循環をもたらしており、それをきっかけにしてアジア太平洋地域での軍備競争と緊張状態がいっそう強化されている。

ロシアのモスクワ国立国際関係大学専門家のアンドレイ・イワノフ氏がある会見で、「平壌を相手に繰り広げるすべての騒動は北朝鮮の核脅威を口実にして米国がアジア太平洋地域で軍事力を拡大し、ミサイル防御システムを構築するためである。問題は平壌ではなく、北京とモスクワを狙ったワシントンの野望のためである」と暴いたのは決して理由なきことではない。

これらすべてのことは、米国が唱えている朝鮮半島の非核化会談というのが過去もそうであったが、今もきわめて虚しいものであり、朝米間の平和協定を締結することだけが朝鮮半島問題解決の最も賢明な方策になるということを明々白々に実証している。

朝鮮半島緊張激化の張本人、主犯である米国との平和協定の締結を先行させなくては朝鮮半島で真正かつ、恒久的な平和を保障することができず、米国を含む関係諸国が関心を寄せている他のいかなる問題も解決することができないであろう。

米国はこれ以上、「北の核廃棄」と無謀な核対決騒動に執着せず、停戦協定を平和協定に切り替えようというわれわれの重大提案に慎重に対し、早いうちに対処すべきであろう。

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