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北朝鮮の護衛総局所属で、金正日氏の警護官を務めた李英國(リ・ヨングク)氏は、「金正日氏が移動する時は、何台もの自動車や汽車、船などが一緒に動いて目的地を偽装する」と語っている。

列車の場合、2時間ごとに「先発列車」「本列車」「後発列車」が出発する。このどれに金正日氏が乗っているのか分からないし、列車が動いている6~8時間の間、線路周辺への接近は全て禁止される。

アメリカの北朝鮮専門家、マーカス・ノーランド氏は、「調査によると、飛行機事故で死亡する独裁者の数が異常に多いため、金正日氏が列車だけに固執しているのはうまくやっていることなのかも知れない」と語っている。

人民の生活を肌で感じたい?

北朝鮮では金正日氏が列車を利用することも、偶像化の道具として利用している。北朝鮮外務省のカン・ソクジュ第1副部長は「金正日熱風」という本で、「(金正日氏は)人民の生活をより近くで感じるために列車に乗る」と主張した。

2002年に平壌を訪問して金正日氏にインタビューをしたロシアの女性記者、オーラ・マリチェバ氏は、金正日氏に「どうして鉄道で移動するのか」と質問した。すると金正日氏は、「外信は私のことをに『高所恐怖症の患者』であるかのように書きたがる。しかし飛行機に乗ったら、何がわかるのか。私は、自分の目でロシアの長所と短所を直接見たいだけだ」と答えたという。

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また、「飛行機に乗ったら(ロシアの)外交官と政治家にしか会えないが、鉄道に乗ればあらゆる人にあえてもっとよい」という言葉を残した。

だが、人民の生活を視察する際に利用される金正日氏の特別列車は、北朝鮮の住民が乗る列車とは異なり、超豪華施設がある移動執務室だ。