金正日氏の特別列車には、爆発に耐える装置が設置されているという。2001年のロシア訪問の時は、電気機関車2台が牽引する先行列車が、金正日氏の乗った特別列車より先に走り、地雷が埋まっているかどうかチェックして事前の保安作業を徹底的に行うなど、警護態勢を強化した。
線路に沿って100メートルごとに保安員(警察官)を1人ずつ配置したため、動員された人だけでも9万3000人にのぼり、停車駅に動員された警護要員を含めると、10万人に達するという。
特別列車が停まる駅には臨時の命令が下り、英語が分からないロシアの住民たちが不便な思いをすることもあった。ロシアの新聞イズベスチアは、「空虚なプラットホームと凍りついた列車、そして無人の土地におどろいた雀たち、警察の警備船など、(8月)3日の夜にヤロスラブスキー駅で見られた光景は、(現代社会の)奇蹟であり、まさに共産主義の亡霊」と、当時の雰囲気を伝えた。
金正日氏は北朝鮮の国内で列車に乗って移動する時も、抜かりのない警備体制をとる。