北朝鮮では、個人が割り当てられた耕作地を責任をもって管理し、収穫量に応じて作物を分配してもらえる「圃田担当制」が定着しつつある。ところが、農民は子供を学校に行かせず個人耕作地での農作業を手伝わせ、「学級崩壊」に陥る学校が増えていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

北朝鮮の農家(本文とは関係ありません) ©EC DG ECHO
庭先が個人耕作地になっている北朝鮮の農家。(画像:EC DG ECHO)

両江道(リャンガンド)の内部情報筋によると、7月20日に各道の教育部門に対する中央党教育部の調査が始まった。同時に、内閣教育委員会も農村の中学校に対する調査を始めた。

今回の調査は、圃田担当制の本格化に伴い、より多くの収穫を得るために子供を学校に行かせない農民が増え、授業に支障が出るほどの事態に発展。これを重く見た金正恩氏の指示で行われている。

また、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の別の情報筋によると、地域によっては農作業が始まる春から学校の授業が行えない事態となっている。

こんな事態を引き起こしている原因は、北朝鮮のいびつな農業政策にある。

春には都会から多くの人が農村支援にやって来る。一見、農村にメリットがありそうに思えるが、せっかくできた収穫物も、その多くは秋には彼らへの「分け前」として取り上げられてしまう。さらに、いやいや動員された人々は怠けてばかりで使いものにならないなど、農民の立場からすると農村支援者のメリットはあまりない。

それに業を煮やした農民たちは、農村支援者を受け入れず、少しでも自分たちの手元に残るものを増やすために、子供にまで個人耕作地での農作業を手伝わせているのだ。

今まで北朝鮮の子供達は、国の制度に守られて学校教育を受けることができた。しかし、一年の農業生産が生死を左右する状況において、親が子供を学校にやらず、労働力として活用しようとするのは仕方ない部分もある。

北朝鮮も、市場経済化の過程において多くの国が経験してきた「いつか来た道」をたどっているのだ。

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