朝鮮半島では伝統的に春は飢えの季節だ。越冬用の蓄えが底をつき6月の麦の収穫までは山菜などに頼って飢えをしのぐ。そんなことも韓国では昔ばなしとなったが、北朝鮮では今でも深刻な問題だ。春を迎えて絶糧世帯(食糧の蓄えが底をついた家庭を指す北朝鮮の用語)が増えつつある。
北朝鮮政府が協同農場で進めている分組(ブンジョ)管理制はそんな端境期を乗り切る「切り札」として期待を集めたが、農民たちの期待はダダ下がり、今年は個人耕作地に力を入れるという。
約束された分配受け取れず農民の生産意欲低下
両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は「去年までと違って今年は協同農場所有の田畑より個人耕作地の方に力を入れると皆が言っている。分組管理制が導入されてから協同農場で一所懸命働くようになったのに、約束された分配がまともに行われなかったからだ」と語り、次のように続けた。