また、「軍や党の最高位層は一挙手一投足を監視されているため、何らかの計画を立てても、その予備行動すら行うのは難しい。全社会が高度に軍事化、組織化されている北朝鮮で、一般住民が(反体制的な)直接行動を行うのはほぼ不可能だ」と分析した。
北朝鮮には「軍」はあっても「軍部」はない
金研究委員は、「軍部は軍生活で縦横無尽に網羅された人間関係と指揮系統を基にして作られるが、朝鮮人民軍ではあらゆるレベルの私的関係が禁止されている。高級将校が数人集まるだけで『何かを企むかもしれない』と思われるほどだ」と軍部内で派閥をつくることが不可能に近いことを指摘。
さらに、「指揮系統は、徹底して最高権力者中心となっており、他の国なら存在する参謀総長や国防大臣中心の指揮体型は存在しない。つまり、軍独自の動きというのはありえない」と北朝鮮でクーデターが起こる可能性が極めて低いと述べた。
しかし、「政治経済状況が悪化すれば、クーデターが起こる可能性も産まれてくる」とも付け加えた。