北朝鮮では、様々な国際見本市が開かれている。最も規模が大きいのは平壌で年に2回開かれる「国際商品展覧会」だ。

昨年の春に開かれた展覧会の様子/労働新聞
昨年の春に開かれた展覧会の様子/労働新聞

今年の春季展覧会は、5月11日から14日まで平壌の三大革命展示館で開催された。秋の見本市は9月21日から24日まで開催される予定だが、東海岸の羅先(ラソン)経済特区でも「第5回羅先国際商品展示会」が開催される。海外投資を羅先の経済特区に誘致するのが目的だ。

北朝鮮当局は、8月20日から24日まで開かれる展示会にむけて、現地にに国際空港を建設する計画を立てるなど、積極的に投資誘致を行っている。また、北朝鮮支援を行うヨーロッパの団体や個人にも展示会参加を呼びかけている。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、羅先市人民委員会経済協力部のキム・ギョンチョル部長は、最近ロシアの沿海州を訪問。沿海州のビジネスマンたちに展示会に招待すると語った。

また、同市人民委員会海洋土地部のパク・チャンナム部長も、羅先国際空港、北朝鮮とロシアを結ぶ高速道路、羅津港コンテナターミナルの建設計画について説明し、投資を呼びかけた。

ただし、北朝鮮ビジネス関係者の努力もむなしく、外国人投資家の反応は芳しくないようだ。

例えば、北朝鮮で携帯電話事業を行っているエジプトのオラスコム社は、北朝鮮国内で得た利益を外貨にして国外に持ち出す件を巡って、当局との交渉が難航している。同社は北朝鮮事業からの撤退も視野に入れている。

北朝鮮でビジネスを展開する課題としては、以下のような項目があげられる。

*私有財産保護に関する法律や金融機関の不備

*外国人の北朝鮮ウォンの所有、使用の禁止

*公式と闇の2種類の為替レートの存在

*インフラの不備による電力難

*国内移動の制限、行き当たりばったりの政策、縁故主義

こうした課題を解決しない限り、なかなか投資を呼び込めない現状がある。実際、北朝鮮への投資を望む企業の多くは、中朝国境沿いの中国各地方政府が設置している経済開発区に進出する形を取っている。

リスクの高い直接投資ではなく、インフラや投資関係の法律が整っている中国で、北朝鮮から供給される安い労働力を使った労働集約型の工場を進出させるのだ。

果たして、こうした事情を金正恩第一書記や経済官僚は、理解しているのだろうか。北朝鮮の最近の経済政策を見ていると、どうも「ハコモノ」さえ作れば投資が誘致できると考えているようだ。

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