ベトナムに進出した北朝鮮レストン、通称「北レス」が大苦戦していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。ベトナムは北朝鮮にとって数少ない盟友国の一つであるにもかかわらず、4店舗のうち2店舗が閉鎖するという事態に追い込まれたという。

カンボジア・シェムリ・アップの北朝鮮レストランで人気を呼んでいる「キム・ウナ」さん
カンボジア・シェムリ・アップの北朝鮮レストランで人気を呼んでいる「キム・ウナ」さん(参考写真)

中国や東南アジアを中心に全世界的に展開している北朝鮮レストランには、熱狂的なファンが多い。料理も美人店員の踊りや歌の評判も上々で、中国やカンボジアなどでは現地の人々や韓国人観光客から人気を集めている。

この人気ぶりに目を付けた北朝鮮は、120万ドルを投資してベトナムの北朝鮮レストランを展開。2003年7月にはじめてオープンしたホーチミン市の「大同江食堂」を皮切りに、2008年3月にはハノイに全額直接投資の形で「平壌親善館」をオープン。しかし、「大同江食堂」は2009年、「平壌親善館」も最近になって閉店したことが明らかになった。

現在、営業しているのはハノイの「平壌館」「柳京食堂」のみ。いずれの店舗も、「それほど流行っているわけではない」と現地の消息筋は伝える。

北朝鮮側は、レストラン業の不振を挽回するため、「高麗人蔘」「霊芝」など北朝鮮特産健康食品を扱う会社「万年ベトナム」を設立し、見本市に出展しながら、積極的に営業活動を行なっているが、業績は芳しくない。

不振の要因の一つに「食の安全」がある。北朝鮮産健康食品からは、安全基準値を大幅に上回る鉛や水銀などの重金属が検出されたことから、ベトナム政府は「輸入禁止措置」を取った。

また、ベトナム人の北朝鮮と韓国に対するイメージの変化も背景にある。

かつて、北朝鮮とベトナムは、かつては同じ社会主義国家として盟友関係にあり、ベトナム国民も北朝鮮に親近感をもっていた。しかし、ベトナムが「脱社会主義化」し、さらに韓流がベトナムに流入したことで南北朝鮮のイメージは逆転。

「ベトナム人は北朝鮮を嫌いではないが、以前ほど親近感を持っているわけでもない。韓国の影響が大きくなったからだ。ベトナム人はK-POP、韓国料理、韓流ドラマが大好きだ。韓国企業は多額の投資をしている。今の時代、ベトナム人の心に北朝鮮が入り込む隙はないだろう」(ハノイ市民)

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