北朝鮮の両江道(リャンガンド)地域で、鉄道建設のため突撃隊(建設支援部隊)の20代から30代の若者が動員されているとデイリーNKの内部情報筋が12日、伝えてきた。鉄道建設について、情報筋は「金正恩氏が避暑で訪れるためだろう」と見ている。

列車の窓から顔を出す軍人 ©Roman Harak
列車の窓から顔を出す軍人 (画像:Roman Harak)

情報筋によると、6月4日、両江道の三池碑の前で数千人の突撃隊と地域住民が動員されて、恵山市と三池淵区間(約70キロ)を結ぶ『三池淵地区線路建設』の着工式が開かれた。式典では「首領(金日成氏、正日氏)の業績を長く輝かすための神聖な鉄道建設事業」と強調されたという。

三池淵郡は、金正恩氏一族の聖地「白頭山」の麓に位置し、「革命史跡」や金正恩氏の特閣(別荘)があることから、情報筋は、「鉄道建設の目的は、金正恩氏の専用鉄道だろう」と推測する。

「既存の線路は古く『将軍様1号列車』が走ることができず、昨年、元帥(金正恩氏)は乗用車で三池淵まで行ったが、乗用車は危険だから『1号列車』が走れる広い鉄道を建設している。着工式に参加した住民からは『なぜ、こんな建設工事をしなければならないんだ』と、不満の声も聞かれる」(内部情報筋)

真夏の三池淵郡は、気候も涼しく空気もよいことから故金正日氏も「避暑」によく訪れていた。金正恩氏も一昨年から、この地を訪れ、今年は白頭山の頂上にも登っていることから北朝鮮当局は早く鉄道工事を完工させようとしているという。

北朝鮮では、深刻な食糧難に見舞われていた2000年代の初めにも、故金正日氏の1号列車専用の鉄道が建設されたことがあるが、当時も一般住民は「金正日だけ使う専用線路」と批判していたと情報筋は付け加えた。

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