北朝鮮で、高級幹部が相次いで粛清・処刑されていると伝えられるなか、「金正恩氏の統治方法は、旧ソ連・スターリン時代の恐怖政治に匹敵する」とモスクワ国際関係大学のゲオルギー・トロライ(Georgy Toloraya)教授が29日、RIAノーボスチ通信に述べた。

ゲオルギー・トロライ・モスクワ国際関係大学教授
ゲオルギー・トロライ・モスクワ国際関係大学教授

ゲオルギー教授は、駐北朝鮮ロシア大使館勤務、ロシア外務省アジア局副局長を経て現在は「モスクワ国際関係大学」の教授を勤めている。同大学は、略称「MGIMO、ムギモ」として知られ、ロシア有数のエリート大学であり、外交専門家養成機関だ。

ゲオルギ—教授は、人民武力部長だった玄永哲氏の電撃的粛清・処刑や高級幹部の粛清が続いていることについて、次のように述べた。

「今の北朝鮮の状況は1937年、旧ソ連時代の『スターリン式テロリズム』に似ている。北朝鮮高級幹部たちは、当時のソ連高官が感じた恐怖を感じているだろう」

「金日成時代にも、何度か粛清が行われたが、恐怖政治という点では今の金正恩時代ほどではなかった。故金正日氏は、金日成氏の粛清と違って『アメとムチ』の統治方式であり、高級幹部を粛清したことはあったが、少数であり処刑ではなく辺境へ左遷させて終わっていた」

ゲオルギー教授は、金正恩氏と過去の2人の指導者との違いを指摘しながら「北朝鮮の多くの高級幹部が自分たちの現在の地位に安心できず、不安に震えている」と分析する。
金正恩氏は、先月ロシアで開かれた「対独70周年記念式典」に欠席した。しかし、ロシアは北朝鮮とは今後も関係を親密にしていく姿勢を明らかにしている。

その一方で、北朝鮮での駐在経験があり、ロシアの公式立場に極めて近い大学教授が、「金正恩氏は恐怖政治を敷いている」と辛辣な評価をすることは、ロシア内でも金正恩体制に危機感を持つ見方があると見られる。

現在の北朝鮮中枢権力層のなかには、3代にわたって北朝鮮政権を経験してきたエリートたちも多く存在するが、今ほど危機感を感じている時代はないのかもしれない。

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