「田植え戦闘」に伴う「農村支援戦闘」に大々的に駆りだされている北朝鮮の人々。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、農村支援は「党に対する忠誠心」を示す評価になっており、ほぼ強制的に参加させられていた。

ところが、今年からは状況がガラッと変わったという。

北朝鮮の協同農場での田植え戦闘
北朝鮮の協同農場での田植え戦闘

セメント1トンで農村支援を免除

これまでと違い「不参加費」さえ出せば40日間の農村支援に行かなくてもいいとの指示が学校の教務部から出されたという。不参加費はセメント1トン(60ドル、コメ100キロ相当)とかなりの額だ。

背景には、一昨年から施行された「12年制義務教育制度」と同時に進められている「学校現代化建設」がある。金正恩氏の指示によるものだが、やはり中央からの予算支援はなく、校舎や施設の拡充、補修の費用など、すべては学校が「自力更生」で運営しなければならない。

「学校現代化」は、金正恩氏の指示なので逆らうわけにもいかず、困り果てた学校が編み出した手法が「農村支援不参加費」の徴収というわけだ。

金正恩氏は、「農業は社会主義を守る階級闘争だ」と言っており、農村支援に学生を動員するのも教師の重要な務めだ。しかし、学校現代化も貫徹しなければならない。

教師たちが、悩んだ末に出した結論が「不参加費」の徴収。学校現代化による「ハコモノ」は目に見える成果として評価されるからだ。

60ドルを払って農村支援に行かない生徒は、大抵トンジュ(金主、新興富裕層)や幹部の子供たち。

別の情報筋は、そんな金など払えず泣く泣く農村支援に行かされる一般住民の間で不満が高まっているとし、住民たちの反応を次のように伝えた。

「金持ちは子供に家庭教師をつけるが、貧しい人はそれもできない。一生農村で苦労させられるのが12年制義務教育制度だ」

「金正恩氏は実用性のない荒唐無稽な方針ばかり下すから、方針を使って方針を貫徹させるというバカバカしいことが学校で起こっている」

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