板門店に程近い農村の風景©Lawrence Wang
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先日、デイリーNKはトンジュ(金主)たちが砂採取ビジネスに乗り出して企業化していることを報道したが、今日は農業に投資する北朝鮮の富裕層「トンジュ(金主)」たちを紹介しよう。

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の咸鏡南道(ハムギョンナンド)の情報筋は語る。

「昨年頃から、トンジュが、土地を借りて農業をやる事例が急増している。彼らはは1ヘクタール、500ドルで土地を借り、農民を雇って畑を耕すが、1ヘクタールあたり約1000ドルの利益を得ている」

咸鏡南道在住のあるトンジュは、市の労働党秘書と手を組んで15ヘクタールの農地を借り耕作を始めた。7500ドルを投資して、経費を除いて1万5000ドルの利益を手にしたという。

全国に広がる農業への投資

平安南道のパクさんによると、農業に投資するトンジュは全国的に広がっているとのことだ。

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「内陸でも農業に金主は少なくない。ただし、大々的にやるには地域の労働党幹部などのコネは欠かせない」

北朝鮮では土地はあくまでも国有だが、協同農場の土地ではなく工場、企業所が管理する副業地を借りて農業をするという。トンジュからすれば「農業は投資すればするだけ利益が得られる確実な産業」とのことだ。

当局「農業への投資は厳重に取り締まれ」

金正恩体制は、昨年から「分組管理制」「甫田管理制」など農業改革を進めているが、トンジュたちもここに注目している。

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こうした動きに対して、北朝鮮当局は、農業への投資は典型的な「資本主義の芽」と見なして徹底的に取り締まる方針だ。

平安南道のある住民によると、数日前に中央から保安部と検察所に対して国の農地を借りて金儲けをする者を強力に取り締まれという指示が下りた。トンジュたちがいつまで農業に投資できるのかは未知数だ。

食糧難を解決し、農民の現金収入にもなりうるトンジュたちの「農業投資」を北朝鮮当局が、取り締まるのは実にもったいない話だ。

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