北朝鮮産の農産物は、中国で「オーガニックで汚染されていない」と評判だ。しかし、最近では「ニセモノ」が出回り、イメージダウンしていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。

少しお高いが味も香りも濃厚な北朝鮮産の「本物」のハチミツ
少しお高いが味も香りも濃厚な北朝鮮産の「本物」のハチミツ

ハチミツと言われて買ったら水飴だった

中朝国境地域で貿易ビジネスを営むキムさん(韓国籍)は、北朝鮮の貿易商から「ハチミツ」を勧められた。

1瓶300ミリリットルで50人民元(約970円)と、中国産の倍の値段だが、「蜂の巣」ごと入っていることもあって「これは上物だ!」と喜んで2瓶を購入した。

ところが、自宅に戻って品物を開けてみたところ、中に入っていたのはハチミツではなく「濁った色の水飴」だったという。

北朝鮮産のハチミツは、かつては朝鮮総連などを通じて日本でも販売され、概ね好評だった。しかし、90年代の大飢饉「苦難の行軍」以降、森林破壊により、ハチミツの生産量は激減しているという。

こうしたなか、「北朝鮮のハチミツはいい」という過去のブランドイメージを利用して「ニセモノ」を取り扱う業者が増えた。ニセモノ・ハチミツは中国市場に出回り、中国の消費者の間からも不満の声があがっている。また、「高麗人参」もニセモノが出回っている。

育っていない高麗人蔘を収穫することで、余計に生産量が減少

北朝鮮産の「高麗人参」を仕入れて、中国で販売する朝鮮族のリさんによると「高麗人参の名産地である開城(ケソン)での生産量が激減したせいでニセモノが横行している」と語った。

高麗人参は、「6年物」が最上品とされるが、農民たちは目先の利益のため、すぐに掘り出してしまう。3年物、4年物なら、まだ良質品とされるが、それ以前の育っていない人参まで掘り出すこともある。

この結果、高麗人参全体の生産量が減少。農民から高麗人参を買い取って高麗人参の一種である「紅参」を製造、販売していた工場が打撃を受けた。

「紅参」は、生の高麗人参を7回蒸して製造される。非常に手間がかかるが、薬効や保存性が高く高級品として日本でも知られている。

困った工場は、苦肉の策として中国産の安物を輸入して「紅参」を製造、いわば「産地偽装」に手を染めてしまった。「紅参のバッタもん」は、10本600人民元(約1万1600円)という高値で販売したという。

しかし、産地偽装の「粗悪品」であることがバレて「北朝鮮産の高級高麗人参」というブランドのイメージは大幅にダウン。

目先の利益にとらわれた「産地偽装」が結果的に、不利益につながってしまったという、どこかで聞いたような話が北朝鮮でも起こっていた。

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