北朝鮮当局が、自国産製品に「Made in Korea」の表記をつけろという指示を出している米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

北朝鮮産の天然水(本文とは関係ありません)
北朝鮮産の天然水(本文とは関係ありません)

政府「原産地表記はKoreaにせよ、北朝鮮の地名も出すな」

これまで北朝鮮は、朝鮮民主主義人民共和国の英語略称である「DPRK」にこだわってきた。北朝鮮で作られた製品には「Made in DPRK」または「Made in DPR of Korea」と表記され、昨年8月に開催された羅先国際商品展示会で陳列されていた商品にも「Made in DPRK」と明確に表示されていた。

ところが最近になって、急に商品の原産地表記を「Made in Korea」にせよという指示が下されたという。慈江道(チャガンド)の内部情報筋は、次のように語った。

「1月8日に海外に輸出する商品、軽工業製品の原産地表記を『Made in Korea』にせよ。可能なら平壌、南浦と言った地名も表示するなという指示が下された」

金正恩氏の誕生日である1月8日に、わざわざそのような指示が下された意図について内部情報筋も首を傾げている。

北朝鮮農漁業製品、オーガニックなイメージで中国市場に殴り込み

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の別の内部情報筋は、表記を変える理由を次のように語った。

「『北朝鮮製=Made in DPRK』の表記は、海外の消費者から嫌がられるからだ」

一部のマニアを除き、一般的に海外の北朝鮮のイメージはよくない。北朝鮮当局もこうした事情を理解しており、DPRKを前面に押し出せば売れないと見ているわけだ。

反面、「遅れている北朝鮮」のイメージを逆利用する動きもある。中国市場に農産物を売り込む時「北朝鮮は経済的に遅れているので汚染されていない」という「自然派」を打ち出した宣伝文句が使われる。

北朝鮮産製品が、エコロジカルでLOHASと評判?

実際、中国では一部の「北朝鮮産製品」がある種のブランド化している。

中国の青島晩報の2013年4月4日の記事によると、青島市内のスーパーで北朝鮮産の天然水がフランスやベルギーの名立たるミネラルウォーターと同じ棚に並べられて売られており、330cc入りのものが中国製の約10倍の10元(194円)で売られているとのことだ。

また、中国最大のインターネットショッピングモール「タオバオ(淘宝)」でも北朝鮮産の海産物、タラ、カニ、スルメイカなどが「天然で汚染がない」との宣伝文句で大量に販売されている。

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中国のインターネットショッピングモールで売られる北朝鮮産のタラ。「ホンモノの北朝鮮の焼き魚」「天然無汚染」などの宣伝文句で売られている。

北朝鮮もKoreaだが…

とはいえ、北朝鮮が「DPRK」を捨てたわけではない。北朝鮮政府が制作し外国で配布するプロパガンダ用の書籍、政治行事やスポーツイベントでは今までどおりDPRKの表記が使われている。

その背景について内部情報筋は「政治的な損害を被ったとしても自国製品を海外で売って外貨を稼ぎたいという思惑があるのだろう」と述べた。

北朝鮮もKoreaの一部なので自国製品に「Made in Korea」の表記をすることはあながち間違ってはいない。しかし、世界的には「Made in Korea」と言うと韓国製だ。こうした現状を考えるといずれか「北朝鮮が産地偽装をしている」と突っ込まれるかもしれない。

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