北朝鮮の地方都市の市場
北朝鮮の地方都市の市場

日本のホームドラマや韓流ドラマで頻繁に出てくる「嫁姑問題」は、北朝鮮でも永遠のテーマだ。ところが、北朝鮮の市場経済化がこうした「嫁姑関係」さえも変化させているという。

このところ、市場でお金を稼ぐ嫁に姑はほくほく顔で、嫁と姑の仲もよくなった。さらに「嫁姑のタッグ」でお金を稼ぐケースも増えていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

姑は調理、嫁は接客。力合わせて商売に勤しむ

平安南道(ピョンアンナムド)の平城(ピョンソン)市で飲食業を営む50代女性はRFAに次のように語った。

「以前は、『うちの嫁は経済力がない』とぼやく姑が多かったが、最近では嫁と姑の仲が悪いという話をとんと聞かなくなったね」

「国からの配給がなくなって、嫁と姑が力を合わせて商売しだしてから仲がよくなったみたいだよ」

この女性によると、麺屋の場合、姑は厨房での調理、嫁は料理を運んだり勘定をする接客と役割を分担する。人手が足りなければ家族が手伝う。北朝鮮全域に市場経済が拡散するにつれこのような形が定着としたと伝えている。

平安北道(ピョンアンブクト)の国境地域の町で雑貨商を営む40代の女性は、実の娘より嫁の方を喜ぶ姑もいると伝える。

「孫の面倒を見ても娘は一銭も出さない。でも、嫁は小遣いや美味しいものを置いて行ってくれるんだよ」

数千年続いた嫁姑の関係はすぐには変わらない

商売を通じた「嫁姑タッグ」は増えたとはいえ、中産階級の家庭では、まだまだ関係はよくないという。

「嫁姑が仲良くなるケースが多くなったのは確かだが、数千年続いた慣習がすぐになくなるわけがない」(平城の女性)

朝鮮半島では、「嫁姑」の緊張関係は長年続いてきた因習だ。とりわけ配給制度が維持されていた時代は、経済活動できない嫁(主婦)の地位は低く、これが姑との不仲に繋がり離婚へとつながるケースも多かった。

ところが、90年代に配給制制度は事実上崩壊。市場経済が拡がるにつれ、主婦は経済活動の担い手となり、今では男性の地位が下がっている。「嫁姑のタッグ」も、「北朝鮮・草の根資本主義」が生み出した副産物といえる。

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