「米帝と必ず戦争を行うことになる」

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北朝鮮が、来月初めに予定されている米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」を前にして、連日の威嚇発言を繰り返しているが、背景には米韓へのプレッシャーと「挑発の理由」を作るためとの見方が出ている。

北朝鮮の労働新聞は23日、米韓合同軍事演習が「自ら災いを招く挑発行為」「すべて葬り去る」と威嚇する記事を掲載した。また、金正恩氏は労働党中央軍事委員会拡大会議を開き、「今後、米帝と必ず戦争を行うことになる」「いかなる戦争方式にもすべて対応できるように万端の戦闘動員態勢を整えていなければならない」と語った。【関連記事

さらに金正恩氏はシルクワームミサイルを使った西海打撃・上陸演習を現地指導し、「敵の牙城を丸ごと火の海にせよ」 と語ったと21日の労働新聞は伝えている。【関連記事

20150221シルクワームとミサイル
地対艦ミサイル「シルクワーム」(左)と地対空ミサイル「S?125」(右)/2015年2月21日付労働新聞より

 

相次ぐ北朝鮮の非難に対して韓国軍当局は次のように警告した。

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「キー・リゾルブは、北朝鮮の韓国侵攻の脅威に対する防衛のために韓米両国が毎年実施している訓練だ」

「もし北朝鮮がこの訓練を口実に挑発や脅迫をするならば、我々も座視せず強力に対応する」

北朝鮮は、昨年も「キー・リゾルブ」の前に短距離ミサイルを大量に発射し、朝鮮半島を緊張状態に追い込んだ。そうした経緯から今回も同様の形で挑発を行う可能性が高いと専門家は見る。

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匿名の北朝鮮専門家は、デイリーNKに対して「米韓合同軍事演習に対抗して脅迫のレベルを高めているが、これは内部??の結束を図ると同時に韓国と米国を圧迫して訓練を無力化させる目論見がある」と語った。

また「北朝鮮は米韓合同軍事演習が始まるまで脅迫レベルを高めつつ、韓国と米国の反応を見守っている」「中度、高度の挑発行為を行うための理由づくり」と指摘した。

脅迫的な発言に込められた政治的意図

相次ぐ北朝鮮の脅迫的な発言は、米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」を前にして政治的な意図が込められている部分があり、金正恩氏が新年の辞で語ったように軍事力強化を内外に誇示するための布石でもあるという分析が出ている。

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北朝鮮が10日、労働党中央委員会政治局を開き労働党創立と祖国解放70周年を迎え、現代に合った軽量化、無人化された先進的な武装装備の開発を決定したことや、党中央軍事委員会で軍事力強化のための機構のシステム改編を指示したことも同じ文脈で読み解くことができる。

2015年2月21日付労働新聞
西南前線部隊の演習を視察する金正恩氏/2015年2月21日付労働新聞より