北朝鮮の朝鮮中央通信は22日、金正恩氏が許宗萬(ホ・ジョンマン)在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)議長の誕生日に際し、祝電を送ったと1面トップで伝えた。祝電は正恩氏個人の名義で、朝鮮労働党第1書記や国防委員会第1委員長などの肩書が付けられていない。
これまで、金正恩氏名義で朝鮮総連の大会やメンバー全員への新年の祝賀文が送られたことはあったが、許氏個人の誕生日に際して送られたことが公表されるのは、おそらく初めて。総連に関連する記事が1面トップで扱われるのもきわめて珍しく、異例ずくめと言える。祝電は以下の通り。
わたし(編集部注:金正恩氏)は、聖なる愛国偉業の道で誕生日80周年を迎える議長同志に温かい祝賀のあいさつを送る。
議長同志は長期間、偉大な金日成大元帥と金正日大元帥の思想と指導に忠実に従って、総聯をチュチェの思想体系、指導体系が確立した主体的な海外同胞組織に強化発展させるのに大きな貢献をした。
わが人民は、白玉のような衷情と熱い愛国の情熱を抱いてひたすら祖国の統一と隆盛・繁栄のために、在日朝鮮人運動の強化発展のためにすべてをささげている議長同志の高貴な愛国活動を高く評価している。
わたしは、議長同志がいっそう元気になって金日成主席と金正日総書記が願っていた通りに総聯と在日朝鮮人運動をより強化発展させていくことを期待しつつ、議長同志の健康と家庭の幸せを祈る。(2月22日朝鮮中央通信より)
労働新聞は17日付で、許氏の「同志愛」を強調する記事を大きく掲載した(関連記事)。また、23日付では5面トップに「いつも総連同胞たちを忘れないとおっしゃり」と題した記事を掲載。正恩氏は総連を常に気にかけていると強調している。
許氏は、競売にかけられた総連本部ビルの維持に現在のところは成功している。労働新聞と今回の祝電は、金正恩体制になって以降、最も強い形で、北朝鮮と許氏の「密接さ」がアピールされた形だ。
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